デザイナーの資質判断要素のひとつに靴があると思う。

 20代の頃、いわゆるインテリアデザインの大御所と呼ばれる方の教えをこうた。いま考えると彼との出会いが今の道を決断させた一因にもなったとも思う。彼は田舎青年にとって刺激的だった。何より強烈な印象は彼の靴である。「こんな靴どこで売ってるの」と思うような、それまで見たことのないような靴を彼は履いていた。当時彼は50代だったと思う。
 それから前記のような考えとなり、初対面のデザイナーに会うと、まずは靴を見る癖がついてしまった。

 そんな事だから、自分の靴購入は大変になる。街中の靴屋を探してもなかなかない。少し前までは時折良い靴を置いてある店があったが、撤退してしまい、近隣で靴を購入できなくなった。
しかし住まいと同じようにカタログやネットで購入する訳にはいかない。靴は履いてみて、服装のイメージをしなければならないし、なんと言っても僕はデザイナーなのである。
 
 そうこうしている内にお気に入りの靴がくたびれてきた。すでに3度も修繕している。

 話は変わるが、前にブログで我が家の誕生日会についての不平を述べた。またその誕生日の夏が来た。その日が平日だったため、今年は4人集まる事はできない。次女が近隣都市で一人暮らしをしているためだ。前ブログで書いたように、私自身この夏の暑さと3度の誕生会で少し疲れているし、大人だ。それはそれで良いと思っていた。

 しかし今年の誕生日の企画は度肝を抜かれた。休日、少し離れた大都市に家族4人でプレゼントの靴を買いに行く・・と言うものだった。
 家族4人でのショッピングは彼女達が大人になってから覚えがない。理由は小生が買い物に付き合うのが好きではないということにあるのだが・・。
しかも我が家は4人ともデザインを職としている。4人の意見を聞くのはとても興味深く、一方滅茶苦茶になることも予想される。

 その戦いは6時間におよぶ。一度は疲れ、あきらめムードになったのだが片道2時間以上かけ、トータル10時間以上を4人で費やしたのだから、結果を出さない訳には行かない。
結論的には生まれて初めて一度に靴を2足購入、忘れられない誕生日になりました。

 でも、4人のデザイナーの選んだ靴についてブログで書くことは恐ろしいことでもある。なにせ、靴はデザイナー資質判断要素なのだから・・。
なので写真は靴でなく小型客家土楼の空とした。

nakaniwachyai.jpg