先日、ちょっとした宴で京・奈良に車で行った話しをすると、神戸に行った人や、島根に行った人がいて、我冒険はまったく影が薄い状態になる。あらためて皆様いろんな事をしてると感心させられた。

 しかし、11月下旬に福島から京都に、上着を持たないで行く人はそうはいないはずだ。

 福島から京都まで800km弱である。しかも深夜の移動、休憩も入れると10時間を越える時間をようする。そのため運転中はサンダルとした。普段仕事の時もサンダルで馴れている事もある。ここで気をつけなければならないのは下履きの靴を忘れない事。京の街をサンダルで歩く勇気はない。そんな事にならないように、旅の荷物の一番に靴を車に入れる。気温が下がる事が予想されたため、マフラーも持つ。上着は柔軟に対応可能な革ジャンとしたため、温かくなる状況も考えTシャツも2枚持った。Tシャツに革ジャンにジーンズ姿での京での記念写真はなかなかいけるはずだ。しかも荷物は多少増えても問題ない。車での旅である。
 荷物積みを終え、少し仕事をしたのが悪かった。
 出発である。通り道沿いに次女が住むため、会って行こうという作戦をたてた。昼に思い立ったため彼女は知らない。きっと驚くだろうと思いつつ、車を走らせた。途中サービスエリアでトイレ休憩。京にいる親族への土産も買わなければならない。連絡してないから会えるかどうかは別として・・・。

 外はぐっと寒い。少し雪がある。この冬始めて見る雪である。薄着の小生。革ジャンを探す・・・が、見当たらない。赤いダウンジャケットはあるのだが・・。冒険家の僕は一年中ダウンジャケットをトランクに入れている。しかし、この冬いかに流行していても、それは30年以上前に購入したもの。しかも真っ赤。僕にはそれを着て、京の街を歩く勇気もない。
 電話してみると「革ジャンは事務所にある」とのこと。出発1時間。戻るかどうかの判断を迫られる。「戻るなどとんでもない、気に入った物を買えばいいじゃない」と連れが言う。作戦会議も兼ね、ここで食事をする事にした。

 食事が終わると次女から電話が来て、次女宅に向かう事とした。彼女に上着が買えそうなところを教えてもらえるはず。19:00を過ぎているのが多少気になったのだが・・・。
 予定通り洋服店を聞き、20:00もかなり過ぎて店に向かう。いろいろ見たのだがシックリくる物がない。連れが「京都で買えば・・・私の貸してあげれるし・・」などと言うので、探す暇などあるだろうかと思いつつ、また京都への道を走ることにした。
 こうして僕は上着がないまま、連れの持ってきたカーディガンみたいなものを借りて、京都・奈良を過ごすことになるのであった。
null
null
上 深夜高速道路  下 京大原