前回のブログ記事が2009年11月27日!

現在2014年6月放置期間約4年半ですか...


放置していた理由は単純に忙しかったから

震災の前から県内の学校施設の耐震化が始まりました

耐震診断は構造設計者にとって専門分野ですから大変です


特に震災以後は各自治体とも前倒しで耐震化を進めてきましたので

シーズン中は掛け持ちで休む暇も無いほど多忙な日々でした

今後は学校施設以外の建物や民間の建物の診断・補強がぼちぼち


さて耐震診断とは地震が起こった時に建物が耐えられるか?

耐えられない場合の不足の程度はどれくらいか?

構造力学的に検証し数値化するものです


木造の場合は壁の中身とその量によって耐力が算定され

耐力壁の配置状況(バランス)や劣化度合いにより低減を受けます

その結果は倒壊の恐れが無い場合を1.0として評価されます


国は一般家屋の耐震化率を上げようと診断業務・補強に対して補助金を出しています

条件に当てはまる建物は診断をお勧めしますが該当する古い建物は

当然ですが結果はアウトです!


現行基準が厳しくなっているのですからそうなるはずです


耐震性を上げるにはどうするか?簡単なのは建物を軽くすること!

屋根が瓦葺きであれば軽い鋼板葺きにするだけで耐震性は向上します

マニュアルに従えばあとは耐力壁を増やすしかない


しかし、硬い家が地震で壊れないかというと一概には言えません

硬くすると地震に耐えますが衝撃を吸収しますから壊れます

地震の時、壁にひびが入ったのは壁材がエネルギーを吸収しきった証拠です


木造の在来工法の場合は地震のたびに木組みが緩くなります

震災後にクルマが通るだけで揺れやすくなったとは良く聞きます


壁式工法の場合はがっちり釘で打ち付けてありますが

その釘の施工状況により壁パネルが外れた事例もあります


震災直後に被災地へ応急危険度判定に行きましたが

新しくても壊れた建物もあれば古くても見た目はなんとも無い建物もありました

これはバランスが大きく影響していると考えられます


構造設計をする時はバランス(偏心=重心と剛心のズレ)を考慮します

現在は木造住宅でもバランスは考慮することになっています

もっとも壁量計算も出来ない建築士が結構居るようですが...


日本の住宅は南面に窓が多く北面には窓が少ない

とうぜん剛心は北に寄りますから偏心が大きくなりがちです

とても古い建物は北側の壁も強くないので偏心も控えめといえます


偏心が大きいと思われた建物でも地震の波が来る方向に左右されました

剛芯が北に寄っていても東西のバランスが良ければ南北方向の揺れにはネジレは生じません

しかし東西の揺れでは建物がネジレて倒壊してしまいます

崩れた石塀と崩れなかった石塀があったのはその向きによるものでしょう


この辺りの地域だと先の震災は北北西からの揺れでしたが

次の大地震は南から西のほうから揺すられるのでしょうか?東南海?

それとも南東方向から揺すられるのでしょうか?東京直下?


先の震災で大丈夫だったからと安心は出来ません

しかもエネルギーを吸収し耐震性は劣化しているはずです


いんちきな補強金物を売り込む訪問販売の現場も見ました

ちゃんと付ければそれなりの効果が発揮されるかもしれないゴツイ金物も

無意味にたくさん付けられた住宅は...あるいみ被害者ですね


怪しい業者の口車に乗る前に自治体から補助金を貰って

専門の建築士に耐震診断と補強提案をしてもらって

補助金を貰って補強工事をすることをお勧めします


もちろん市内にお住まいであれば市役所の窓口にて弊社をご指名いただけると幸いです


国の耐震対策緊急促進事業HP
http://www.taishin-shien.jp/index.html#3

 
日本建築防災協会HP
http://www.kenchiku-bosai.or.jp/seismic/kodate/wooden.html