工務店のお客様から問合せがあったことから塀を作る時の注意点を


準防火地域にある木造の塀(高さ2.1m)を造り替えたいが建築確認は必要か?


建築基準法第2条第1項に「建築物」の定義があり建築物に付属する塀は建築物である


法第6条の建築確認が必要な建築物として第1号から第4号まで規定されていて


4号物件なら10㎡までは確認が不要だが防火・準防火地域は除かれている


つまり今回は面積0㎡の増築として建築確認が必要である!というのが答え





また防火地域の場合は2mを超えると耐火構造又は準耐火構造もしくは不燃材料で作るか覆うことに


準防火地域の場合なら木造住宅に付属する塀で建築物の1階となっている場合は


延焼の恐れのある部分を不燃材料で作るか覆わなければならない


今回はいずれにも該当しないので木造で作ることに問題は無い






ブロック塀についての規制はたかさ2.2m以下で高さによって厚みも規定されている


木造の場合は基礎に緊結してあり倒れない構造であればいいのだろう


塀を作るうえで注意しなければならないのは敷地からハミ出さないこと


この場合、さらに注意したいのは接する道路が4m(場所によっては6m)未満の時である


道路幅が4m無い場合は道路の中心から2m下がった位置が道路境界線とされ


建築基準法によって道路境界線を超えて建築してはならないとされている


道路の反対側が崖や水路・線路敷きなどの場合は道路の反対側から4m後退する


これは狭い路地を減らし火災時の消火活動など地域の健全化が目的だからです


仮に後退しないまま塀を作ってしまっても家を建て替えるときには壊さないと建築確認が降りません


あらかじめ後退して建築しておかないと後で要らぬ出費を強いられます






それから塀や門にも斜線規制による高さ制限があります


おおよそ住居系地域であれば道路の反対側から1:1.25の勾配の線以下となり


4mの道路幅で4x1.25=5mとなりますからよほど立派な長屋門でなければ大丈夫かな?


というか道路際の長屋門は駄目だってことですね


そのほか家自体が道路斜線制限を後退の緩和で逃れている場合


塀の1.2mを越える部分はメッシュ状のもので作らなければなりません






さてここまで書きましたが防火・準防火地域以外の場所では


住宅に付属する塀は0㎡の増築なので建築確認が要らないということです


建築確認が要らないということは何を作ってもいいということではありません


確認が要らないだけで法の規制はかかっていますので


周辺環境に配慮したり震災時など通行人に被害が及ばないように


建替えの時に困らないように注意して建築するようにしましょう








道路後退のことは建築士じゃなくても知っていて欲しいことなのですが


外構屋さんとか古い職人だと知らないか知ってても作ってしまうようです


後のトラブルを回避するためにも事前に相談されることをお勧めします


意外に回りに建築士事務所はありますので気軽に相談してみましょう


これくらいの相談でお金を取る事務所は無いと思いますから