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「現場よもやま話(2)」で、
基礎について書かせて頂きましたが、
今回も《基礎》の話です。

近所のとある業者の現場。
住宅の基礎工事を行っていますが、
良く見かけるベースコンクリートを先に打設。
打設は昨日の事。
今日は立ち上がり部分の型枠組み作業を行っていた。

私の関わる建物では、
住宅の基礎はベース及び立ち上がり部分を一体打ちとする。

コンクリートは可能な限り一体で打設するのが当然と考える。
規模の大きな鉄筋コンクリート造の場合は、
全てを一体打ちは出来ないので、打ち継ぐのは仕方がないが、
住宅の基礎なら、わざわざ分割して打設する必要はない。
と言うより、分割しないのが絶対に良い。

前回もお話ししたように、
コンクリートの打設後は、衝撃などは加えずに、
「養生」をする事が重要。

この現場、実は捨てコンクリートも打たないでの施工だった。
それ故に、精度の面でもそうそう上手くはいかない所がありそう。
職人さんは型枠を組みながら、鉄筋の位置を修正したりしている。
昨日打設したコンクリートは、
当然、まだ完全な硬化状態ではない。

そんな状況の中、立ち上がりの型枠組み立てで、
様々な力がベースコンクリートにかかる事は簡単に想像できる。
ましてや、位置の修正のために鉄筋に強い力を加えれば、
修正は簡単なのだが、硬化中のコンクリートに
不用意な力がかかり、付着の状態は悪化してしまうだろう。
それが具体的にどれほどの影響があるのかは分らない。
しかし、わざわざ影響を与える事はしない方が良いに決まっている。

何故、基礎コンクリートを分割打設するのか、
それは施工が楽だから。
そんな事を優先順位にしている業者には、
注意が必要だ。