設計職人のつぶやき - 建築士ブログドットコム
新潟県新潟市西区新通西2-17-20<br />TR設計<br />川俣 徹 <br />t-road.a@alpha.ocn.ne.jp<br />TEL:025-369-0471<br />FAX:03-6679-2018
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2013-01-13T02:29:38Z
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truthroad
2013-01-13T02:29:38Z
2013-01-13T11:29:38+09:00
というような事をよく聞きます。
逆に「雄弁な職人は注意せよ」とも言われます。
私自身、これまで印象に強く残る職人を思い浮かべた時、
確かに殆どが寡黙な人であり、気難しい人です。
(注:写真と本文は直接関係ありません)
気難しいが故に、
人間関係では色々と問題を起こしたりもします。
その人との関係確立には、それなりの時間がかかります。
しかし、一旦心が繋がると、
不思議に「深い」繋がりが持てるという感覚があります。
職人の「言葉」は、その「仕事」であり、「技」です。
職人のした「仕事」を見る時、
様々な「言葉」がそこから聞こえてきます。
それはとてもストレートで、隠し立てが出来ません。
だから、特に言葉を交わさなくても、
職人さんとはたくさんの話が出来てしまいます。
職人の世界は、将にそんな部分があります。]]>
truthroad
2012-12-31T04:46:40Z
2012-12-31T13:46:40+09:00
通常は先回ご紹介したように、製材という事で
四角形の形に整えて使いますが、
樹の形をそのままいかすような方法もあります。
写真は今回のプロジェクトで使う杉の根曲がり材を
鉞(まさかり)で荒削りをしているところです。
黙々と鉞を振り下ろして、少しずつ、少しずつ
進めて行く作業です。
削られた部分は、その表情がとても美しく感じられます。
時間をおき、最後は手斧(ちょうな)で丁寧に仕上げられ、
更にその肌合いを整えます。
将に「樹をいかす」という遣り方。]]>
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2012-07-03T11:50:09Z
2012-07-03T20:50:09+09:00
製材作業が始まりました。
その中で、今回使用する材で一番の長尺材の製材に
立ち合いました。
材は製材所の間口より長く、運び入れも簡単ではありません。
材の長さはなんと46尺!
建物の屋根の隅木となります。
長いため、作業の中で材の一部が製材所の建物から出てしまうのです。
その出る部分にはちゃんと窓があり、
その窓を全開して製材を行います。
長尺材が製材出来る設えがしてあります。
製材は順調に進みます。
全部で6本、1本当り30分程度で製材されていきます。
この材、実は未だ内部は完全に凍っている状態。
凍っている材の製材は非常に難しいのだそうです。
しかし、この製材所の社長さん、
何食わぬ顔で、そんな材を次々と製材していきます。
この方、その筋では大変な評価を受けておられる
将に凄腕の製材職人なのです。
製材機の「刃」もご自分で目立てを行います。]]>
truthroad
2012-06-30T01:45:33Z
2012-06-30T10:45:33+09:00
「育ちが遅い」という特徴を持つ山から切り出された樹は
写真のように、将に目がつんでいる良材です。
直径は75㎝くらいもある樹です。
年輪は樹の歴史が刻印されたものです。
この年輪を見れば、その樹がどのように育ったのか
一目瞭然、将に履歴書です。
この樹は、年輪が数えられない部分もあり、
本当にゆっくりと育ったことが分かります。
このような樹は、強度も強く、
また木目の本当に美しい材が取れます。
さて、このような樹が「材」として
どのように使われるのか、物語は続きます。]]>
truthroad
2011-08-13T11:02:47Z
2011-08-13T20:02:47+09:00
写真は瓦を葺いているのではなく、
既存の瓦の一時撤去作業の写真です。
これから更に建物を使い続けるため、
屋根の一部を野地板(瓦の下の板)まで撤去して、
構造用合板に張替え、構造的な補強を行い、
下葺き材も新しくします。
しかし、屋根材は焼き瓦で再利用が可能ですので、
そのまま使う形です。
既存の野地板をはがすと・・・・
屋根の下地材(タルキ)は丸太材を使用しています。
建物の古さが分ります。
丸太材を使うなんて、今では考えられませんが、
殆ど傷みもなく、一部新しい角材のタルキを補強しただけで、
そのままとします。]]>
truthroad
2011-07-30T12:21:33Z
2011-07-30T21:21:33+09:00
もう一つのプロジェクトが進行していますので、
こちらも紹介させて頂きます。
このプロジェクトに関わる重要な材が切り出された山の写真です。
新潟県の北部に位置する山ですが、
特徴は「木の育ちが遅い山」という事です。
それ故に、良材が取れます。
しかし、いくら「良い木」があっても、
それを伐採して、運び出せなければ建築材としては使えません。
今期の冬はこの地域は雪が多く、
そんな好条件があり、今回、その「良材」を
運良く切り出す事が出来ました。
私は伐採には立会えませんでしたが、
伐採時には、もっと雪が多く、
脇の道路まで、その雪が「運搬・移動」を
助けてくれたそうです。
また、伐採の際、雪がクッションの役割も果たしてくれたようで、
「雪」の有り難さを感じました。
上の写真は、伐採された木で、一本残った運搬を待つ長尺の丸太です。
もし、小雪の冬であったなら、手には出来なかった材となり、
これも「出会い」なのだと、改めて感慨を覚えます。]]>
truthroad
2011-07-27T08:13:05Z
2011-07-27T17:13:05+09:00
1年余りの打ち合わせ期間を経て
関わらせて頂いている一つのプロジェクトが
いよいよスタートとなりました。
打ち合わせを重ねながら、
予算枠にはなかなか収めることは難しいと感じつつも、
最終的には優先順位を整理して
施主様の想いを少しでも多く、
そして良い形で実現したいとの思惑がありました。
決められていた工事予定の期日が迫りつつも、
なかなか全体計画が定まらない流れもありましたが、
最終的には、施主様の寛大な譲歩、
そして施工サイドの懸命な努力のお陰で、
何とか内容の一部を変更する程度で
計画は実施のスタート地点に立ちました。
簡単に予算枠だけを念頭に物事を進めていけば、
それほど苦しまず、悩まずに形にする事が出来たのでしょうが、
そこが「職人根性」、
いつも産みの苦しみを味わう事になってしまいます。
この度のプロジェクトがどんなものなのか、
追々と紹介させて頂きます。]]>
truthroad
2011-06-23T12:11:42Z
2011-06-23T21:11:42+09:00
「現場よもやま話(2)」で、
基礎について書かせて頂きましたが、
今回も《基礎》の話です。
近所のとある業者の現場。
住宅の基礎工事を行っていますが、
良く見かけるベースコンクリートを先に打設。
打設は昨日の事。
今日は立ち上がり部分の型枠組み作業を行っていた。
私の関わる建物では、
住宅の基礎はベース及び立ち上がり部分を一体打ちとする。
コンクリートは可能な限り一体で打設するのが当然と考える。
規模の大きな鉄筋コンクリート造の場合は、
全てを一体打ちは出来ないので、打ち継ぐのは仕方がないが、
住宅の基礎なら、わざわざ分割して打設する必要はない。
と言うより、分割しないのが絶対に良い。
前回もお話ししたように、
コンクリートの打設後は、衝撃などは加えずに、
「養生」をする事が重要。
この現場、実は捨てコンクリートも打たないでの施工だった。
それ故に、精度の面でもそうそう上手くはいかない所がありそう。
職人さんは型枠を組みながら、鉄筋の位置を修正したりしている。
昨日打設したコンクリートは、
当然、まだ完全な硬化状態ではない。
そんな状況の中、立ち上がりの型枠組み立てで、
様々な力がベースコンクリートにかかる事は簡単に想像できる。
ましてや、位置の修正のために鉄筋に強い力を加えれば、
修正は簡単なのだが、硬化中のコンクリートに
不用意な力がかかり、付着の状態は悪化してしまうだろう。
それが具体的にどれほどの影響があるのかは分らない。
しかし、わざわざ影響を与える事はしない方が良いに決まっている。
何故、基礎コンクリートを分割打設するのか、
それは施工が楽だから。
そんな事を優先順位にしている業者には、
注意が必要だ。
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truthroad
2011-05-04T12:06:35Z
2011-05-04T21:06:35+09:00
木造とはいえ、近くの分譲地で建っている住宅の骨組みを見ると、
いつも間にかその「主役」が金物となっているように感じてしまう。
金物をたっぷり使えば「強い建物」という印象になり、
特殊な金物工法が巾をきかせている。
これはもう「木造」とは言い難い感じがしてしまう。
良い木を使う以上に、
良い職人さんの手による事より、
「金物で固める」事が重視されているようで、
木造では絶対的に大切な「大工さん」の存在すらも、
その誇るべき技術すらも
もう「脇役」になっている感がある。
何だか寂しい気持ちになる。
しかし、木組みの家をつくり続けている工務店もしっかりとある。
木造の「主役」は、やはり「木」であり、「大工さん」であるはず。
もちろん、全く金物を使わない訳にはいかない。
そして、金物を全面否定している訳でもない。
使うべきところには使う。
頼るべき時には頼る。
しかし、あくまで金物は「脇役」。
「木組みの家」では、金物はそんな役まわりで、
しっかりと、そして喜んで働いている。
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truthroad
2011-02-03T11:52:27Z
2011-02-03T20:52:27+09:00
思われるかもしれません。
しかし、これは農業の話ではなく、建築に関わる話です。
建築の基礎工事が終わると、
基礎コンクリートから、ニョキニョキとアンカーボルトという、
土台等を固定するボルトが出ています。
このアンカーボルトは、基礎コンクリートを打つ時には、
固定金具等を用いて、すでに型枠に据え付けておく必要があります。
しかし、未だにコンクリートを打つ前に
そのアンカーボルトの据付けをせず、
コンクリートがある程度落ち着いた頃を見計らって、
苗を田んぼに植えるようにアンカーボルトを
基礎コンクリートに植え込む、
いわゆる「田植え」作業をするような現場も散在しています。
この「田植え」を行うには、ある程度コンクリートが
硬化し始める必要があります。
ゆるゆるのコンクリートの状態では、
アンカーボルトは沈んでしまいます。
コンクリートについて、それなりの知識がある人なら、
硬化しようとしているコンクリートに
衝撃を与えることの危険性は百も承知しているはずです。
ましてや、突っついたり、かき混ぜるなどやるべき事ではありません。
アンカーボルトの「田植え」作業では、
ボルトを所定の位置、高さに据え付けるために、
その「突っつく」や「かき混ぜる」みたいなことが
行われてしまいます。
その時、基礎コンクリートの中はどうなっているのか???・・・
厄介なことに、基礎工事が終わり、
アンカーボルトの出ている面に
「天端均し」という化粧?のような事を行うと、
「突っつく」や「かき混ぜる」みたいな事をやった形跡は
全く分からなくなってしまいます。
そのような業者に限って、
所定期間はそのままにして置かなければならない
コンクリートの型枠すら、早々とばらし始め、
更にと言うか、丁寧と言うか、
硬化が進んでいる最中の基礎コンクリートに
「衝撃」を加えていたりします。
あなたが頼もうとしている業者が、
「田植え」を平気でしているような業者なのか、
確認は簡単ではありませんが、
どこかの現場でそっと調査するくらいはすべきと思います。]]>