不動産の折り込みチラシを繁々と眺めていると、実に不思議な間取りを見つける事がある。アパートや中古住宅に限らず、新築の一軒家でも、思わず「なんじゃこりゃ?」と言う間取りがある。

今朝の朝刊に載っていた建売住宅の間取り図も、「和室4帖+長細い板の間1帖分、併せて和室5帖」と書かれていた建物があったが、何が何でもそこに和室を作りたかった意図が分からないし、それがエンド・ユーザーの購買意欲に繋がっているとも思えない。もっとも私の勉強不足と言う事だって有り得るから、あまり大きな声では言えないが・・・。

また、TVで人気の?増改築番組でも、改修前の家の間取りが変っているからこそ、改修後の出来に感激するのであって、そう言う意味では改修した人たちよりも、以前の変な間取りを作った人たちの顔を見てみたいと思ったが何度もある。

ふだん、「住み手に個性があるように、家にもその家族だけの個性がある」と言っているが、それはあくまでも良い意味で言っていたつもりだったが、裏返して読み取れば、変な家が存在することも確かに有り得ると言う事なのだろう。

そんな変な間取りだが、自分が住むのではなく、眺めているだけなら実に面白いから性質が悪い。この本も、そんな眺めて面白い本なのかもしれない。



少し前なら、佐藤和歌子さんの『間取りの手帳』シリーズは面白かったし、拙著の『犯行現場の作り方』も、変な間取りの家を楽しむための一冊であったと言えなくも無い。
(ミステリマニア限定だが)



変な間取りで苦しむよりも、本を読んで笑う方が絶対に良いですからね。


天工舎一級建築士事務所