長い設計期間を経て現場に入った時に、
まず現場に伝えなければならないのは、
住まい手と共に積み上げてきた設計の想い。
それは図面に託すことになりますが、
契約図面としての実施設計だけでは
その積み重ねた情報を伝えることはできるはずもなく
現場監理に入ってからの詳細図や
基本設計時の図面を加えたりして、
役割と設計意図、その納まりを現場監督経由で棟梁に伝えます。

今回は、設計期間として二年半、
施工期間として一年超えの仕事ですので、
膨大な数の図面と議事録があります。
そんな日々の現場監理を通していると、
設計の想いが監督と棟梁と共有できるようになります。
週一回の現場定例ですが、
残りの5日間は、現場に託すことになります。
現在では、現場LINEでその場で起こったことへの
対処や指示を簡単におこなうことはできますが、
やはり、現場監督と棟梁の連携に負うところが多くなります。

これは中庭にあるデッキと階段ですが、
ご覧のようにビスが1本も見えない施工。
さすがに、ここまでの指示はしておりませんが、
想いが伝わるということは、こういうことだと思います。
私の住まいでも、通常はデッキビスを使用して留めますので、
この見せない施工は、よほどでないと指示はしません。

また、ビスを表に出さない施工方法は分かっていますが、
最後のデッキのみビスが出るという仕様です。
しかし、ここのデッキと階段は、
その最後に施工したであろう箇所にもビスが1本も出ていません。

さすがに、その種明かしを聞きましたが、
そ、そこまでやりますかという内容でした。
監督も、もう二度とやりません・・・と・苦笑。

私の設計の図面量では、どこの現場でも驚かれますが、
その想いが伝わるというとは、こういうことなんだなぁ・・・
とあらためて感じる共に、監督と棟梁に感謝です!!

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  ・・・どうも、ありがとうございました。

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