旧宅の再生材料は、すべて寸法取りをして図面化、
その使用部位も設計に折り込んでいました。
そのため、まずは解体工事が始まる前に、
大工さんに入ってもらって、取り外しを終えてから
本格的な解体工事に入ります。

どのお住まいでもそうですが、
それまで生まれ育った住まいがなくなることは、
住まい手にとっても複雑な思いが交錯するものですが、
設計者にとっても、それは同じ。
特に、古いお住まいでは継承すべき素材は
他に無かったか・・・と、想いを馳せます。

そんな中で、ふと目に留まった各庇の緑青銅板。
こんな所にも使ってあったのかと、
あらためてこのお住まいの建築時の想いに至り、
急遽、現場にお願いして各庇の緑青銅板を
外してもらいました。
大工さんではないので、あまり上手く取れないかもしれませんよ
と念を押されましたが、それでもお願いして
取り外していただき、保管しておきました。

くねくねとなった緑青銅板ですが、
大ケヤキの根元にあった、落ち葉を溜めておくための
小さいストック小屋の波板屋根の
葺き直しに使うことを思い立ちました。

解体前は暗がりの通路脇でしかありませんが、
新しい住まいの西庭として生まれ変わると、
その背景に目立ってくるので、
その屋根の化粧直しにうってつけだと考えました。

多少くねくねと曲がっていても、
それはご愛敬、それより年月を重ねた緑青銅板の方が、
よりその価値が大きいとの思いでした。

そして、再整備された西庭の大ケヤキの根元、
背景として、りっぱなコンポスト棟として、
新設された畑の腐葉土の再生産に役立ってくれることでしょう。

ちなみに、枯れ葉を腐葉土にするためには、
適度な湿気が必要というアドバイスの元に、
屋根に少しだけ穴を開けて、雨が下に落ちるようにしています。
また、解体の時に合わせて取っておいてもらった
銅製の軒樋と竪樋も良い感じに備わっています。

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