住宅の外周部の断熱材施工は、
屋根葺き、外部サッシ、透湿防水シート、通気胴縁などの
外部の雨処理が完了して、
さらに、軒裏や軒先の納まりなど
大工さんの外部下地が終わってから
内部に入ってくるタイミングと、
これと並行しておこなわれる内部の電気工事の
進捗状況に応じて、施工時期が決まります。

今回の住まいでは、屋根・外壁・サッシの処理が終わった段階で、
早めに第1回目のセルロースファイバー断熱先行施工が入ります。
これはセントラル冷暖房のダクト工事前に、
ダクトが集中する部分では、断熱材、気密フィルム、
構造用石膏ボード張りを先行しないと、
ダクト工事後は、工事がでない箇所が発生するためです。

断熱材の種類に関していえば、
一般的な高性能グラスウール断熱材ではなく、
セルロースファイバー吹き込み断熱材としているのは
躯体のスタッド間隔が通常の455ピッチではなく、
303ピッチということが影響しています。
これは片流れの水上側の壁の高さへの対応や
各所の壁強度アップを目的としていますが、
この辺りは構造計算の壁倍率だけではなく、
住まい全体のバランスと区画からの判断となっています。

スタッド(間柱)303ピッチでは、
通常のグラスウール系やロックウール系断熱材の用意が無いため
既製品では対応できないのが難点です。
そのためにセルロースファイバー吹き込み断熱を採用していますが、
製品性能としは、熱貫流率に性能差があります。
・高性能グラスウール断熱材の熱貫流率λ=0.034W/m K
・セルロースファイバー断熱材の熱貫流率λ=0.040W/m K
ただ、その代わり吹き込み施工のため
断熱材の充填がしっかりおこなえる点と
密度が約3倍あるので、
遮音性が格段に高くなるというメリットがあります。
・高性能グラスウール断熱材の密度度20kg/m2
・セルロースファイバー断熱材の密度60kg±5/m2

上下階の遮音対策や交通量など外部環境音に対しては
大変有効な手段となります。

熱貫流率が低いといっても、以下のように
必要十分な省エネルギー性能は確保されています。
・外皮平均熱貫流率:0.48 W / ㎡K
・平均日射取得率:ηAH 1.4  ηAC 1.7
・BEI:0.76

また、断熱材を先行しておこなうためには、
その部分の電気配線工事や換気扇ダクト貫通部なども
先行しておこなっておかなければならないので、
建築・電気・設備の各施工者間での
事前打ち合わせと準備をしっかりとおこなうことが必要です。

2階へのダクトスペースはいつも苦労しますが、
今回はダクトスペースとして目立たない外壁側に出し
その手前の壁には、施工用の開口部を設けて、
造作工事で塞ぐという手法でおこなっていますが、
ここも、断熱材+気密フィルム+石膏ボード張り
を先行しないと人すら入れなくなります。

今回の施工には、さぶちゃんが活躍してくれましたが、
昔会ったごろうちゃんは他の現場だそうです。
もう20年以上も活躍しているそうですが、
こうして名前を付けることで、
スタッフがより大切に可愛がってくれるとのことです。

株式会社マツナガ
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