企画→基本→実施へと設計を進める中で、
住まい手の要望や設計の詳細検討などで変更がおこります。
それらをすべて解決しつつ実施設計を煮詰めていきますが、
その大部分は決めていても、
どうしても積み残しの箇所はあるものです。
その辺りは現場に入ってから・・・とするのですが、
現場が着工して、地縄遣り方→地盤改良→根切→
そして、基礎工事へと入ってくるまでの期間、
その辺りは、建物規模にもよりますが、
今回は約2ヶ月あまり。
結構あるように感じますが、
この間に決めておかなければならないことが数多くあります。

1.地盤改良深さ、範囲、耐圧版位置確認
2.基礎配筋とホールダウン金物
3.外部排水経路設備図
4.給排水排水衛生ガス冷暖房雨水配管位置図
・基礎人通孔、設備配管貫通部の処理と配筋
・基礎下の人通孔と配管工事の交錯と床下点検口
5.躯体工事と内部衛生設備配管干渉のチェック
6.躯体工事とホールダウン金物位置図
7.外部サッシ納まりとラフ開口
8.構造躯体図とダクト経路関係図
9.軸組図による詳細部の検討
これを2ヶ月で終わらせることは難しいのですが、
他のプロジェクトの兼ね合いをみながら、
その検討は、工事契約金額が決まった段階から、
徐々に進めておりました。

1.地盤改良深さ、範囲、耐圧版位置確認
今回は中庭コの字型建物と既存建物や敷地内水路との
関係がタイトでしたが、敷地測量図のデジタル情報があり
それを元にした配置設計でしたので、
多少の微調整ですみました。
2. 基礎配筋とホールダウン金物
これはこれまでの基礎と同様の設計ですので
図面流用が可能ですが、今回は基礎芯と躯体芯のズレが
大きく4つ存在するのでその辺りの確認が必要です。

3.外部排水経路設備図
4.給排水排水衛生ガス冷暖房雨水配管位置図
・基礎人通孔、設備配管貫通部の処理と配筋
・基礎下の人通孔と配管工事の交錯と床下点検口
5.躯体工事と内部衛生設備配管干渉のチェック

これについては、私の設計で現場で最初に行う作業ですが、
外部の雨樋の位置、躯体からの離れ、
内部の衛生設備の給水給湯排水位置をすべて数値化して
事前に配管突き出し位置を決めておきます。
これには、2つの施工に対する配慮です。

外部足場を建てたあとは、外部排水の施工できません。
雨樋や給排水位置は事前に決定しておけば、
足場撤去後の外構や外部の塗作業の終盤に
工事職種による錯綜が起こりません。

この時期は竣工が近くて、各職種が入り乱れるので、
事前に決めておけば、それぞれが落ち着いて作業できます。
もう一つは、断熱性能4等級を設計通り確保するため。

今回の住まいはの性能は、
・外皮平均熱貫流率:0.48 W / ㎡K
・平均日射取得率:ηAH 1.4  ηAC 1.7
・BEI:0.76
という平屋主体の不利な条件にも関わらず、
高断熱性能を有しており、床断熱材ネオマフォーム厚80mm、
床構造用合板厚28mm、これを配管の立ち上がりに
最小限の欠き込みでおこなうためには、
事前に配管をセットして、建て方時にピンポイントのみの
開口処理で納めることが必須となります。

6.躯体工事とホールダウン金物位置図
7.外部サッシ納まりとラフ開口
ホールダウン金物については、基礎工事で決めておくのは
構造計算による壁量・許容応力度によるため
在来工法でも枠組み壁工法でも変わりません。

8.構造躯体図とダクト経路関係図

9.軸組図による詳細部の検討
これについては普通であればもう少し後でも可能ですが、
今回は、セントラル冷暖房設備の導入による
ダクト経路がかなりの本数と量となるため、
適正な経路と躯体干渉の処理や床加工など
多岐にわたる調整と共に、
屋根断熱か天井断熱かによって、野地板下の
通気部と下地を変える必要があり、軸組図による
詳細な検討がおこなわれております。

20年前に当時の山武ハネウェル社が住宅用の
セントラル冷暖房システムの導入する折りに、
私がコンサルタントで担当したご縁で、
現アズビルのきくばりを採用していますが、
もう私の物件では、6軒目となります。
https://www.kikubari.com/special/index.html

電子式エアクリーナーとVAV制御のフル装備です。
ちなみみ、アズビルという会社は住宅では耳慣れないですが、
ビル空調の制御機器では、7割以上のシェアも持つ老舗メーカーです。

枠組み壁工法の構造躯体ですが、
静鉄ホームズの大井川フレイミングセンターによる
工場製作パネル化が前提となっており、
https://www.shizutetsu-homes.co.jp/technology/

しかも今月初めの基礎工事完成時には、
躯体のパネル製作も完了するということでしたので、
詳細図までの検討をおこなった上で、
私自身が描き起こした構造図のパネル化への打ち合わせを重ね、
必要な軸組図追加して、細部を詰めております。
今回は、躯体設計の3Dと加工機が連動する部分も多くあり、
そのデータを私のVectorworksarchitectsに取り込むことで、
事前検証と共に、屋根や内部の打ち合わせにも活用しております。

こうした準備を経て、今週からの床・躯体工事となり、
来週末には、屋根までの組み上げ完了と
同時に、ゴムアス付ルーフィング粘着厚1.0の施工も終わる予定です。
本来であれば、枠組み壁工法の屋根は一番最後となりますが、
在来工法より進んだ形で、ほぼ造作前の状態まで
一気に完成させることができます。
そしてここからが長い、こだわりの造作ディテールが展開します。

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