どんなリフォームの場合も、
まず、既存の構造を把握して、
補強計画を立てなければなりません。

目に見える仕上げとしてのリフォームは、
その先にあるわけです。

まず、構造の状態を図る目安は築年数。
1981年(昭和56年)5月31日以前の建物は、
旧耐震基準に基づいていますので、
補強しなければなりません。
現在だと、築29年前ということになります。

既存図面1.jpg

こちらは築42年、昭和40年に建設された16坪の住まいですが、
幸いにも、当時の図面が残っておりました。
しかしこの図面も、すでに現状とは違って増築され、
階段の位置なども変わっています。
こうした建物では、図面がないケースがほとんどですが、
それでも現状を把握する上で、大いに助かります。

通常、確認申請の副本と呼ばれるものが、
必ず建て主の手元にあるはずです。
これは、再発行されない書類なので大切に保管しましょう。
正本と呼ばれるものは、役所に保管されていますが、
2006年の改正で、15年間保存されることになりましたが、
それ以前では、5年でした。

建物の図面がない場合は、まず現地調査をして、
既存の図面をおこすことから始めます。
メジャーで一つ一つの柱の位置や間取り、
さらに写真を撮って、
これを参考にしながら図面化の作業をおこないます。

既存図1.jpg

その図面を元に再度現場でチェックをして
やっと、既存図面が出来上がります。
これは、かなり労力を要する仕事ですが、
これをおこなうことが、何よりの近道となります。

床下は、目視で確認することになりますが、
点検口というよりも、こうした古い家の場合、
畳下の床板を外せば、見ることができます。

この住まいは、昔長屋だった場所で、
土地・建物をそれぞれ分割して購入され、
その後、それぞれの家が増改築を繰り返し、
中には、3階建てまで建っています。
いわゆる、下町の住宅地に良くある風景です。

今回のお住まいは、内部のリフォームに合わせて、
耐震補強をおこなうことが目的でしたので
構造診断と補強方法を併せて考えています。
次回は、その構造補強のプロセスをご紹介します。

内部1.jpg

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 ・・・どうも、ありがとうございました。

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