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白川郷の景観を象徴しているのが
300年近くも住み継がれている
合掌造りと茅葺き屋根。
今回は合掌造りについてお話ししましょう。

大切妻の屋根は、そのすべてが小屋裏となっていて、
そこは何層にも区切られ、
おもに養蚕、つまり生糸をつむぐ元となる
カイコの育成場となっています。

この大きな小屋組みが合掌造りであり、
その下、つまり1階の軸組みによって
部屋割りされた部分が居住区となっています。

つまり、上(小屋裏)と下(1階)では、
まったく違った構造となっていて、
その昔は、1階の軸組みを大工が
小屋裏は、村民の手で造っていたとのことです。

また、その中には、牛馬の飼育室や作業場なども
含まれていますので、
いかに、大空間が形作られているかが分かります。

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中に入ってみると、
居間や食堂の中心に必ず囲炉裏が
設置されていることに気がつきます。

この囲炉裏から出る煙は、
天井の穴や隙間を通って、
小屋裏の隅々まで行き渡るようになっていて
養蚕部屋の暖房と
屋根の構造材である丸太をいぶして、
木材の保護するという二役をになっています。

この太い丸太は合掌桁と呼ばれ、
これを正三角形に幾層にも組むことで
重心を左右に分散した、安定した構造となります。

この外側に横木や縦木を通して
骨格を造りますが、その部材同士を結びつけるのは
マンサクと呼ばれる柔軟性に富んだ蔓性の木を
もちいて縛り付けられていて、
これは年月を経ることに
締まってくるようになっています。

その他にも、車知栓(しゃちせん)と呼ばれる
木製のくさびなどが使用され、
釘や金物が一切使われていないにもかかわらず、
非常に強固な構造体が造られて、
数百年の風雪に耐えている、
まさに、先人の知恵の結晶なのです。

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