広間に続き間として和室を創る場合に、
壁・天井の素材にモミ紙和紙を使用することが多い。

通常、この種の紙を張る場合には、
四隅だけをのり付けする袋張りという手法がありますが、
これだと梅雨時には紙が延びてたるむため、
私は、5mm程重ねて全面貼りにしてもらいます。
上級仕様では、底目地を切って貼ることもあります。

壁の素材として、塗り壁は一般的ですが、
私は柔らかいしつらえのできる紙貼りが多い。
また、広間のルナファーザー(紙クロス)AEP塗り
現在はホタテペイント(ルナしっくい)との
素材の連続感も重要な要素ですね。
その素材感を幾つか紹介。

120371507366916121205.jpg
静岡・A邸の床の間。
ここは、落とし掛けに桧、
その上部の壁に和紙合わせガラスを使用し、
床板はカシュー塗り、
壁天井はモミ紙和紙という現代床の間。
ここに桜の花びらを漉き込んだ掛け軸ならぬ
タペストリーが掲げられいて、雰囲気がピッタリでした。

120371512109416214177.jpg
石川・K邸は、もう少し正統派というべき和室と床の間。
ここも、壁にはモミ紙和紙が使われいますが、
天井をサツマヨシと呼ばれる葦を合板に貼った素材とすることで
少しカッチリとした質の空間が生まれます。

120371516508816303232.jpg
東京・U邸は、全面を収納として扱った例ですが、
扉の取っ手部分だけ違う色の和紙を貼って、
手垢で汚れがちとなる周囲だけ張り替えられるようにし、
かつ、それをデザインの一部として扱っています。
ここには、仏壇が設置されていますが、
フリッパー金物と呼ばれる、
開き戸をそのまま引き込めるという賢い機能の丁番によって、
広間の来客時に対応できるように考えられています。

いずれの和室も、琉球畳というフチナシの畳です。
この琉球表は、丈夫なため畳縁を用いなくても大丈夫。
畳の織り方向によって、市松模様に見えるのが特徴です。

M邸和室.jpg
近作の静岡・M邸の和室。
最近よく使います、福井市・丸和さんの超撥水・玉紙。
http://www.tamagami.jp/
これは越前和紙に撥水性と防汚性をプラスしたもの。
また、彩かさねというタイプは、
さらに繊細な染め色と手漉きの風合いが絶妙です。

人気blogランキングに参加しています。
↑よろしければ、クリックをお願いいたします。
 ・・・どうも、ありがとうございました。

にほんブログ村 住まいブログへ
にほんブログ村