八ヶ岳南麓の生活はすばらしいものです。

ことに季節の変わり目は生命を実感し、

その美しさに目を見張ります。

この環境に私たちが居を築こうとする事は

まさに自らがこの自然の一部になろうとする、

そんな意識が必要だと思います。


広大な南斜面である南麓は1日の日照時間が長く、

また風光明媚です。

北からの冬風の通り道からもはずれ

冬も過ごしやすく、夏は乾燥して涼しいのです。


快適であったのはなにも現代人だけではなかったようです。

縄文人の遺跡も数多く見つかる事からも、

遥か昔からここには人の歴史があるようです。


さて、土地を求め、

私たちはここで何でも好きなものを建ててよい、

という事ではありません。

建築基準法のことを言っているのではありません。

土地に立って耳を済ませましょう。

目を凝らしてみましょう。

自然の様々なささやき、

たくさんの動植物のうごめきが見えてきます。

そして、おのずとその場にふさわしいかたち、

暮らしが見えてくるはずです。


ひとつひとつの家はエリア全体の中で連続したものであり、

自然の流れの一部であるべきです。

人を含めた他生物が命を謳歌する環境は、

そのように結果として造られます。null