高冷地においての住宅の基本的な考え方は、

外壁、屋根の表面積を出来るだけ小さくして

寒気にさらされる面を最小にすることが求められます。


その意味で、いわゆる総二階建ての形態は不利です。

基礎面積の割りに空間容量が大きく、

坪単価が安くなりその点では有利です。

ただ、寒気にさらされる外壁面は大きいですから

温熱対策の点では出来るだけ避けたいのです。


単に西欧のスタイルをまねて2階をロフト型にしている

設計を多く見受けますが、理由を知る知らないでは

デザイン処理の深みが違ってきます。


さて、かつての日本家屋は夏の強い日射熱を

軽減するため、大きな不要空間たる

屋根裏を必要としました。

最近の断熱工法の進歩により、

その空間を居住空間として快適にすることが

可能となりました。

ネズミたちには不幸なことですが・・・・・。

今や、屋根のかたちはそのまま

室内空間のかたちになるのです。


ただ、そのままですと迫ってくる天井で

閉塞感があります。

そこで、視線の高さに設置する

開閉式の天窓を多く採用します。

これを北側に設けます。

それでも夏の太陽高度は直射光を室内に

入れてしまう場合もあるので、

慎重な検討が必要です。