今日の話は、庇その2-中間領域を作る。

庇の機能は野球帽でうまく説明できると
前回述べました。そして重要な機能をもう一つ。
視界の中に、長いツバの先端と風景とが常に
見えているということです。
このことで自分自身と他の物体の距離を知覚することが出来るのです。小さなボールを追うのに
絶対に必要な機能です。クルマのサイドミラーに
自らの車体の一部が見えるようにセットするのと
同じです。

建築的に言い換えると、空間を知覚するという機能です。空間とは「物体と物体の間に出来る隙間」
と訳せます。3次元空間が知覚出来ない不安は
誰でも味わったことがあるはずです。
下のイメージは、庇のデザイン操作によって
室内空間が、大きな庇に覆われたヌレエン、
そう中間領域をとおして、豊かな外部環境としなやかに
つながる様を示しています。

庇を使ってうまく中間領域をつくります。