2009年 6月の記事一覧

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09年06月27日 07時58分00秒
Posted by: hemlock
 有機体の集合(自然)を風景にする。

森の木々や地面のうねりは人の価値の与え方によって
美しくも、醜くもなります。
大きなピクチャーウインドーの外に広がる
自然の森も、良いものさし、定規をあててあげたとたん
に物語性をおび、輝いて見えるようになります。
これがデザインです。

下の写真は、外部とインテリアを仕切る大きな
FIX窓には、小豆色の横桟が規則的に
付加されています。このことで、
単なる森が「風景」に変わりました。

散漫な単音の集合が、五線に乗って美しい
音楽になるのと似ています。
09年06月26日 08時08分00秒
Posted by: hemlock
山スキー好きの私が何度となく訪れた新潟の山に
妙高山があります。典型的な複式型火山です。
古い地図を見ると中山とあります。
そして、名香山とある地図もあります。
最近の地図では妙高山です。
名が転じていったのがわかります。
身近なところでは、小淵沢はこぶし沢、
軽井沢は軽石沢、蓼科は立て科(樹の名前)など
地名や山の名への興味は尽きません。

さて、八ケ岳のずっと南、甲府盆地の北端しに
双葉と名の付くところがあります。
私が八ケ岳南麓に移住してから、冬風について
調べていたところ、八ケ岳おろしという風が
甲州にはあるのを知りました。
八ケ岳方向から息をつく間もなく吹き続ける風、
石も吹き飛ばすといわれる風、
双葉にはこの風が吹きます。

この風を利用して戦前より飛行訓練場があり、
今でも日本航空学園の真っ白なグライダーが
大空を滑ります。訓練機といえば複翼型、
それで地名も双葉、そう想像できます。

この風が発生する訳は?
下の絵で示すようにそのわけは明解です。
南北に長い八ケ岳連峰の東は、狭い谷で
段丘にもなっていて北風が吹き抜けます。
西は、釜無川、中央本線などが通るやはり谷です。
諏訪口とよばれる冬風が吹き抜けます。

この二つの風が双葉の辺りで合体したのが
「八ケ岳おろし」なのです。
この風、一度吹かれてみてください。
すごいです。
09年06月25日 12時45分49秒
Posted by: hemlock
軽井沢追分の田園を見下ろす丘の森に

この家は完成いたしました。

それぞれの道で第一線で活躍するご夫妻が

都市から移住して暮らすことになります。

樹齢100年はあろうかと思われる

コナラ、コブシ、モミジ、ミズキのある

森の中です。

風が森を鳴らすざわざわとした音に

せみの声、オナガのなく声がまざり

時がゆっくり流れます。

「ここに来るとすぐ眠くなってくる。」

と建て主はいいます。

7月からお二人のものですよ。

09年06月20日 07時22分00秒
Posted by: hemlock
 窓には二種類の概念があります。

間戸、ウインドー何れも窓のことですが、
その示す意味は正反対です。

間戸とは?たとえばお寺の濡れ縁に面して
柱が一間ごとに配され、その間に障子がはめ込まれた
風景、日本人にはなじみのあるものです。
これがすなわち間戸です。
要素と要素のすき間=開口部、ここに建具を入れたり、
ガラスをはめたりしたものを「間戸」というわけです。
西欧の石の文化にはこの概念はありません。

西欧の窓はウインドーと訳されるように
「風が抜ける穴」を意味します。
この穴を介し、外部と内部は明解に区別され、
外部は切り取られた風景としてインテリア化されます。

単に開口部といっても、この間戸とウインドーを
はっきりと区別し、意識的に使い分けます。

下の写真にある、RC打ち放しの壁にあけられた
15センチ角の穴はWINDOWですし、天井とRC壁の
すき間にはまるガラスFIXは間戸なのです。

外部環境と内部が混然一体となった空間作りの手法に
長けた、日本人の住意識、意匠は、
西欧の建築文化にも多くの影響を
与え続けてきました。

この美意識を大切にデザインに生かします。
09年06月19日 07時56分00秒
Posted by: hemlock
私は子どもの頃、飛行機の設計図を描くのが

大好きだったんです。

太平洋戦争のときの日本の戦闘機が好きでした。

ゼロ戦、隼、紫電改、飛燕、雷電・・・・・

ネーミングもフォルムもほれぼれします。

グラマンやメッサーシュミットなんかもう全然だめです。


さて、気が付いてみると私は設計屋さんに

なっておりました。とにかく何でもかんでも

設計図にしちゃうのが今でも大好きですから

天職なのかもしれません。


最近、ピザ釜を自作したいとおっしゃる建て主さんに、

色々調べて作り方をイラストの設計図に

して差し上げました。レンガいくつ使うかも

しっかり描きこんであります。

今度、自分でもこれ、作ってみようかと思っています。
09年06月17日 16時58分40秒
Posted by: hemlock
昨日のゲリラ豪雨がうそのように
今日は良い天気です。

外部にも使った八つ石タイルも張り終え
目地詰めが終わりました。

内部の造作家具取り付けも本日中には完了し、
25日の建て主完了検査は問題なさそうです。
09年06月13日 08時08分00秒
Posted by: hemlock
ご卒業のみなさん、本日はおめでとうございます。

皆さんの中には、これからの道が決まっている人、

思う様にならず落ち着かない人も、

そして、居直ってゆっくりとかまえている人も

いると思います。それでも今日ばかりは、

今この場にいる幸せをかみしめて

とても充実感にあふれた良い顔をしています。


さて、あらためて「デザイン」とは何でしょう。

この根本的な問いは今の皆さんにとっても、

私のように今までやってきて

これからもデザインをつづけていこうとしている者にとっ

ても、常に問いつづける重要なことです。


だれかがあらかじめ作ったハードをどう包むか、

どう表面を覆うか、いわゆる美的表面処理が

「デザイン」と勘違いしている一般の方々は

やはり多いようです。


世の中には情報があふれて、見た目に整っているもの

上手に処理されているもの、そうしたものが

身近にたくさんあるおかげで今の人たちは

私がデザインを始めたた時代より格段に

造形、美的処理がウマイ!と思わせることが

多くなりました。何の訓練を受けていなくても

PCを駆使して一定レベルまで出来てしまいます。

でもそれらは「デザイン」のほんの一要素でしかない

表面的なものが多いと思います。


カラカラに乾いたスポンジに水が浸み込む様に

最も多感な時に、体で造形とは何かを身につけた

みなさんは、今はまだうまく言葉やデザインで表現

出来なくても、デザインの本質を見出す

潜在力を身につけていると思ってください。


桑沢はかって即戦力を売りにしていた

時代がありました。現代社会がデザイナーに

求めるレベルはとても高いものになりました。

単に表面処理や小手先の器用さで作られるものは

すぐに飽きられてしまいます。大きな視点に立って

社会をリードすることを求められている、

ということです。みなさんはこれから、

プロの、長いデザイン道に緊張感をもって

入ってきてください。


終わりに少々難解なことを言います。

デザイン技術は人のためだけ、人を幸せにするため

だけでなく、人と横並びにあるすべてのものや、

いきものを幸せにしなければならない時代に

入ったのだということを覚えておいてほしい

と思います。


みなさんの健闘を心からお祈りいたします。

がんばってください!

                3月22日祝いの言葉
09年06月12日 08時24分00秒
Posted by: hemlock
 開口部と一言で言ってもその機能は様々です。

風通しをするため、沢山の光を入れるため、
少しの光を入れるため、出入りするため、
風景を切り取るため、外部環境と一体化するため・・・・
多くの機能を開口部に求めます。

開口部を設けようとするその室が求める機能が
純粋に表現されているほど、合理的な美しい
空間となると思います。
開口システムの選択は実に重要なデザイン行為
ということになります。

下の写真の建物には様々な開口部があります。
水平感を強調する連続窓、森にせり出す出窓、
スリット窓、引き違いのテラス戸・・・。
その室が求めた機能を素直に表現することで、
内部の生活が表出し、それだけで建築は
豊かな表情となります。
09年06月09日 16時56分17秒
Posted by: hemlock
八ケ岳エリアから普通に産出する石。
これをスライスして225角の板にしたものを内部、
外部の壁に張り終えたところです。
誰かが今までやっていそうなことですが、
これがこの世ではじめての試みです。
くせもなく、ねず、むらさき、あかと微妙な色合いが
なんとも美しい!想像以上です。
積年の夢が叶いました。
09年06月06日 09時00分00秒
Posted by: hemlock
今日の話は、庇その3-建築が大地と空と関係する。

庇というデザイン要素で、日照調整や中間領域づくり
の他に、私の場合もう一つ、重要な機能を持たせます。

庇は多くの場合、直線とその組み合わせです。
直線は、地球上のおおくの生物の中でも、
人にしか駆使できません。でも、何も人が考案したのではなく、やはり自然界に潜在するもので
人はそれを発見したに過ぎません。

庇で、強い水平線をつくることは、人の行動を規定する
とともに、美しく波打つ大地と対比させることで、
「美」という価値を生みます。そして、空に登る傾斜した
線を強調することで、空との関係をつくり、やはり
「美」を生みます。

固有の環境に人工物をはめたとき、建築という価値づくりに庇というデザイン要素をうまく使うわけです。
09年06月05日 09時05分00秒
Posted by: hemlock
都会から移り、高原暮らしをはじめて

まず覚えるのは、火の起こし方です。

なにも縄文人さながらに、というわけではありません。

お父さんとしては子供たちの手前、

かっこよく小さなマッチの火を紙に、

そして枝に、そして薪に・・・どんどん火を大きくして

炭をおこしてBBQをする。

イメージでは出来るはずのことが・・・。

都会暮らしで直火から遠ざかっていると

これは中々むづかしいのです。


火の気持ち?が理解でき、

火起こしがうまくなるとやたらと焚き火をしたくなります。

庭木の剪定した枝、落ち葉、紙ごみ・・・。

基本的にひとは火あそびが好きなのです。


薪ストーヴがなぜ楽しいのか?

そのひとつに家の中で火を燃せるからです。

これはスリリングなことです。

直火が家の中にあるなんてすごいです。


そして考えたのが、

いろりテーブル。

どこにでも移動できて

小さな火を楽しめる。

ボウボウは燃せないですが

鉄瓶で湯をわかしたり

岩魚を焼いたり・・・。

マイ・スモール・ファイヤーです。
09年06月03日 08時28分00秒
Posted by: hemlock
象牙色のスパンドレルも張り終え、木部の高いところの

塗装も終わったので、足場をはずしました。

ブルーシートで覆われたところは南アルプスの峰々、

なかでも圧巻の甲斐駒が正面に望まれる

大開口部です。ガラスの採寸は済んでいるので

もうすぐガラスが入ります。

今からわくわくいたします。

今日からは内部の塗装にも入ります。

細かい塗り分けがあるのでつきっきりで

指示することにします。
09年06月02日 17時09分59秒
Posted by: hemlock
建物自体は2月に完成。オーナーの地道な努力で

着々と緑化してきました。

グランドカバーにクローバー、夏季の日照調節に

クレマチスが這い上がるように

FIXガラスの手前にネットが張られました。

タイマーセットされた自動水やり機が正常に

機能しているかどうか点検に行ってまいりました。

一日2回のスプリンクラーしっかり出来ていましたよ。

生まれたての子がしっかりと地に足をつけて

頼もしい感じになってきました。
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