この冬の季節、何故に「田植え」の話なの?と
思われるかもしれません。

しかし、これは農業の話ではなく、建築に関わる話です。

建築の基礎工事が終わると、
基礎コンクリートから、ニョキニョキとアンカーボルトという、
土台等を固定するボルトが出ています。

このアンカーボルトは、基礎コンクリートを打つ時には、
固定金具等を用いて、すでに型枠に据え付けておく必要があります。

しかし、未だにコンクリートを打つ前に
そのアンカーボルトの据付けをせず、
コンクリートがある程度落ち着いた頃を見計らって、
苗を田んぼに植えるようにアンカーボルトを
基礎コンクリートに植え込む、
いわゆる「田植え」作業をするような現場も散在しています。

この「田植え」を行うには、ある程度コンクリートが
硬化し始める必要があります。
ゆるゆるのコンクリートの状態では、
アンカーボルトは沈んでしまいます。

コンクリートについて、それなりの知識がある人なら、
硬化しようとしているコンクリートに
衝撃を与えることの危険性は百も承知しているはずです。
ましてや、突っついたり、かき混ぜるなどやるべき事ではありません。

アンカーボルトの「田植え」作業では、
ボルトを所定の位置、高さに据え付けるために、
その「突っつく」や「かき混ぜる」みたいなことが
行われてしまいます。
その時、基礎コンクリートの中はどうなっているのか???・・・

厄介なことに、基礎工事が終わり、
アンカーボルトの出ている面に
「天端均し」という化粧?のような事を行うと、
「突っつく」や「かき混ぜる」みたいな事をやった形跡は
全く分からなくなってしまいます。

そのような業者に限って、
所定期間はそのままにして置かなければならない
コンクリートの型枠すら、早々とばらし始め、
更にと言うか、丁寧と言うか、
硬化が進んでいる最中の基礎コンクリートに
「衝撃」を加えていたりします。

あなたが頼もうとしている業者が、
「田植え」を平気でしているような業者なのか、
確認は簡単ではありませんが、
どこかの現場でそっと調査するくらいはすべきと思います。