小田原市内で行われている文化財発掘調査は、作業開始から40日目を迎えた。
当初は60日ほど掛かると予想されていた調査だったが、20日間早い時期に作業が終了することになった。理由としては天候に恵まれたことや、発掘作業のし易い史跡形状だったことなどが挙げられるそうだが、作業を見ていた私には、調査されていた方の頑張りの賜物だと感じた。
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発掘調査の作業完了とは、どんな具合に終わるのか興味があったので見学させて貰った。
まずは最後の掘削作業。土質や形状を明確にするための最後の掘削作業は、まるで丁寧に掃除をしているかのよう。
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窪みの左側には、土器の欠片が見える。
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全ての作業を完了したら、高所作業車に乗り、真上から掘削現場全景の写真を記録する。
天候にせいで風があり、写真撮影時にも少し揺れていた。
高い所が苦手な私には、絶対に無理な作業だ。

全ての角度から写真を撮り終えたら、最後に現場の地形などを測量し、図面化することで作業終了となる。
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正直言って、今までは発掘とか史跡にあまり興味を持っていなかったが、今回その作業を間近かに見たことによって少し見方が変わった。この作業は、探偵小説に似ているがしたと感じたからだ。

何もない所を自分の感とセンスだけで掘り起こし、発見された小さな欠片や痕跡から、その時代や使用者の生活背景まで推理していく。そんな作業を丁寧に積み上げ、最終的に一つの推論に到達する。

その上、何ヶ月という長い時間に渡って丁寧に掘り起こした現場は、記録を取り終えた後に埋め戻さなければならない。大型のダンプが土を流し込み、重機がその上を踏み固めて、まるで何語も無かったかのように痕跡を消すことまでが仕事なのだ。そしてその上には、新しい歴史が建つ。ある意味、仕事をした痕跡を消すことまでもが仕事なのだ。そんな作業を見ていて、ふと探偵のそれと似ていると感じたのです。

いろんな意味で面白かったです。

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天工舎一級建築事務所
TEL 0465-35-1464
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