昨夜、NHKの番組「ブラタモリ」を観ていました。
タモリが東京の町をブラブラと歩きながら、面白そうな物を見つけては、あれこれ言う番組で、昨日は東京の住居についてスポットを当てていました。

今なお残る江戸時代さながらの長屋暮らし。
明治時代に取り入れられた豪華な洋風建築として旧岩崎邸。
そして純粋な和風建築や、LDKと言う考え方を始めて日本に取り入れた団地。
関東大震災後に普及し始める耐震性能の高いコンクリートの建物。
どれも面白かった。

ともすればどの題材も建築の教科書に載りそうな内容で、専門的に語れば、とても面倒くさい物を、素人的な目線であれこれ言うところが、とっても分かりやすくて興味を惹いた。旧岩崎邸のバルコニーなんて居留地建築の代表的なシンボルであり、日本の気候風土に合うデザインとして、今も多く設けられているもの。その意味や意義も、日差しを除け風を取り入れることが目的であった、なんて言う話は、洗濯物干し場と化した現代のバルコニーが聞いたら、泣いて喜びそうな話。

それから江戸時代さながらの、長屋暮らしは、まるで時代劇のセットを見るようで面白かった。
路地の中に建つ長屋と、長屋の前に設けられた手で汲み上げるタイプの井戸は、あまりにも似合い過ぎ。ああいう生活も楽しそうだと、チョッと思ってしまう。

余談ですが、建築基準法的に言うと、「長屋」は今でも存在します。
もっと言うと、長屋は今でも建てられ続けています。と言うのも、連棟式のテラスハウスと称するアパートは、基準法の用途で言うと「長屋」と、定義付けられるからです。

つまり一つ一つの部屋(住戸)に出入りするために、階段や廊下を共有せず、家の前の道だけを共有しているようなアパートは、全て長屋なのです。逆に、隣の住戸と階段や廊下などを共用して使う建物の場合、これは共同して使う住宅=共同住宅と言う用途として定義付けられます。

超豪華な億ションも、たった一間しかない1LDKのアパートであろうと、建築基準法的に言えば、どちらも、ただの「共同住宅」。そしてそれに該当しないアパート状の建物は、「長屋」と呼ばれるのです。
面白いですよね。


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