今回の蔵の構造補強については、
簡易的ですが、合理的な補強手法をとっています。
本来の構造補強をおこなうと、
大がかりな大規模改修となってしまい、
住まいではない、補助的な役割の蔵にとって、
現実的な選択肢ではありませんでした。

今回は屋根瓦や屋根構造は触らないで、
その荷重を新たに内側に設置する補強柱に分担させて
漆喰壁内の柱への負担を軽減する手法をとっています。

土塗り壁に半分埋まっている既存柱140角の内側に、
新たに120角の杉柱を建て込み、
2階の床梁はそのままとして、
既存のコンパネ厚12を剥がして、
新たに構造用合板厚28を張って床剛性を高めると共に、
この床と梁を介して、上下階の120角柱は、
20kN用ホールダウン金物で一体化しています。

2階柱上部は、新設の120×150杉桁によって結ばれていますが、
柱脚は固定しないで、地震では滑るにようしています。
内側の躯体で固めすぎてしまうと、
外力が蔵本来の躯体へ余分な力として伝わって、
壊れる可能性があるためです。

こうして新たに内側設置された構造躯体に、
屋根全体の荷重を負担させてから、
蔵の構造体である柱の下部根元や土台の腐食している箇所を
根接ぎしたり、取り替えたりして、
本来の構造体についても、補修・補強しています。

これで、本来の構造躯体と
新たに新設した内側の構造躯体が一体となって、
蔵全体の耐震性を高めるようになっています。

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