大阪万博の開催地でアサヒビールの創業地でもある人口35万余
を抱える吹田市に在り、市役所の前で停まる阪急電鉄の駅から北
に400m程向かった、丘の高台にW造2階の住宅が建っている。

東斜面には、神社と約4haの市民公園が広がり、南斜面には
緑豊かな木々に囲まれたビール会社の迎賓館、資料館もあり、数
少ない都市の住環境だと思う。

建替えのきっかけは、近くに住む娘さん夫婦の子が中高生になる
のを機に、一人暮らしが気になる父親との同居話が進み、新築す
る母屋は四人家族で、父親は既存の離れで生活するスタイルで決
まったようである。

特に、玄関ドアーをあけると、正面に二枚の壁が目に入るが、手前
のかべは間に挟まる階段の手すりから玄関ホールの天井まで切り抜
かれている為、後のかべは横長の直角三角形として見える。この壁
に二階北流れ勾配の屋根に設けたトップライトから差し込み映ろう
日光、月光の明かりと、四囲(あたり)のほの暗い空間との対比に
詩情性を感じると、 少しではあるが気に入られているようである。

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