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アトリエ事務所での、建築家を自負するものは、余りにも世間
知らずと云わざるを得ない。何故ならば99%の作品を立ち上
げるエネルギーは、あらゆる社会の人々の協力によるものであ
るからです。日本でも、心技体に秀でた棟梁制の時代が、法隆
寺の建立から辿っても1500年近く続き、明治以降になって、
設計という専門職域が発生したものだから、社会的に認知度が
低いばかりでなく、その中にとけこむ努力さえ、成されていな
いのが現状であります。つまり、いかなる建物、どのような茅屋
にまで、心血をつぎ込むことにより、人々の希望は見出される
と信じて、到達点のない曲がりくねった険しい道を歩いています。

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