8/16 大阪市立芸術創造館で開催されたワークショップ 自画持参に参加してきた。
このワークショップは250doorsとよばれる250のワークショップ(以下WS)のひとつでワンコイン500円というとても参加しやすいイベントであった。新しいこと、興味を持っていることに、飛び込んでみたい!という人にはうってつけの企画である。前期には芝川ビルなど大阪の近代建築まで利用しちゃうという、WS以外にも楽しみの多いイベント。

さて本論に入るが、私も仕事や参加団体の活動で、さまざまなWSを企画、または参加してきた。最近は、ワールドカフェを採用するケースが多かったが、
 ○結局は声の大きな人の影響が大きく、聞き手と話してのバランス解消にはいたらない
 ○テーブルのファシリテーターの力量が必要
 ○ファシリテーターのレベルあわせや事前準備が結構大変 など…
いい手法であるが、講師の山崎氏がWSの冒頭に説明されていたように、まだまだ集団での議論に慣れない日本人にとっては、参加者全体の考え方が汲み取りにくいジレンマがあった。
その点、この自画持参という新しいWSの手法は運営側も参加者側もWSのための準備はあまり必要がないため、気軽に実施しやすい手法と感じた。
 詳しい手法、今回のWSの様子はこちら→
   http://jigajisan.net/byo.html 
   http://studio-l-org.blogspot.com/2010/08/250-doors.html
◆この手法のポイントとして魅力
 ○運営側として
 ・お題があれば、誰でもできる。
 ・WSに慣れていない運営者であっても、ある一定の成果をだしやすい。
 ・ワールドカフェなどでも声の大きい人に話が流れやすいが、KJ法同様に参加者に均等
  の発言の機会、可能性があり想定外の意見も汲み取りやすい。
 ・時間が読みやすい
 ○参加者として
 ・適度な緊張感が持続できる。
 ・WSでの議論が意見の勝ち負けにならないので、フラットに聞ける。
 ・一般的なWSではテーブル内でリーダーを決める場合もあるが、そのリーダーはWS
  に集中できないが、この手法の場合は負担が少なくなる。
◆手法としての魅力
 ○パネルディスカッションとの組み合わせ
 ・予定調和的になってしまうパネルディスカッションで、パネリストのディスカッショ
  ンにアクシデント性を設けることでパネリストにもギャラリーも期待感が増える。
 ・パネラー同士がテーマを出す場合の遠慮をさけることができる。
 ○ワールドカフェとの組み合わせ
 ・ディスカッションの流れの初期段階で課題を汲み取る作業に有効
  (どうしてもこの段階で声の大きな人に左右されるケースがあるため)
 ・スケジュールと成果の量(質はわからないが…)が読みやすい。
 自画持参という手法は、この方法だけで問題を見出しの解決となる答えを導き出すと
 いうよりも、WSで必ず必要な〈聞き手〉〈話して〉のバランスをとりやすい手法で
 あり、課題抽出に適しており他の手法との組み合わせで可能性は広がると感じた。 
◆身近に使えそうなシチュエーション
 私が仕事柄よく関わる、マンションの管理組合の理事会や委員会でのディスカッション
 の手法には使いやすく、定期的に開催する上でもコンサルタントに依存せず、不慣れな
 組合員でも開催しやすいだろう。
◆その他の感想
 ○発表者の時間
  くじで選ばれた発表者のプレゼンは2分が適切。特に慣れない人には2分も長い
 ○テーブルでのディスカッションの時間
  テーブルの人数×1分ぐらいが適切。
  頭が整理ついていない人には何とか話せる時間
  しゃべりたい人には、話したい内容に優先順位をつけてもらえる

まだ、開発途上のWSとのことであるが魅力的な手法と、いつもながら場をつくりだす
のがすばらしい講師の山崎氏に感謝!
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