こんどは家の内部です。

食堂から居間方向を見た写真です。季節は冬。左側の窓の下が地下への階段になっています、真ん中の居間へのブリッジをはさんで右側が地下の壁から続くブロック壁になっています。


冬は太陽高度が低いのでブロック壁の下の方に太陽光が当たっています。


ブロック壁の表面に温度計を当てて測ってみたら32°もありました。この時の外気温は+3°でした。


この家の建っている秋田県大館市は秋田県内陸北部ですので、冬は曇り空がおおいのですが、それでもこのように晴れる日もあります。その熱をすこしでも活かそうという魂胆がありました、しかし、そうはいっても曇り空が多いのはいかんともしがたい事実です。そこで、この家ではストーブの熱を100%以上活かしたいと考えこのようなデザインにしました。

左側のガラス面はペアガラスですが(この家を建てた当時は現在のようなLow-Eガラスはほとんどなかった)冬ガラス面の内側は冷やされます。冷やされた空気は階段部分から地下室へ下ります。そしてストーブのよって暖められ、こんどは反対側のブロック面にそって吹き上がります。そしてそのまま2階へと上って行きます。(断面図も参照しながらご覧ください)その時、ブロックに熱を蓄えます。
その熱が夜就寝時にストーブを止めてからじわじわ放熱されます。そのため急激に温度が下がらず、朝起きた時で16〜7°をキープしてくれています。

以前ブロック壁はトロンプウォールとしていないのかとコメントをいただきましたが、そのような意味合いもありますが、どちらかというと、家の熱容量を少しでもあげて、かつストーブの熱を蓄熱させることを狙いました。これがもっと冬の太陽が期待出来る地域でしたら、また違ったデザインになったと思います。

建築のデザインは地域性に密接に関係していますね。

つづく   このブログは毎週土曜日更新予定。