仕事柄、建築の雑誌は良く見ますが最近の住宅で良く登場するのが間口
を大きく開いて建具を引き込む形です。開放感が溢れて気持ち良さそう
です。そのような住宅に混じってちょっと気になる建物が有るのです。

2階などでバルコニーが有りその手摺の壁に当たる部分の格子が水平の
物が有る事です。住宅の安全が言われているのに建築主とはどのような
話でそのようなデザインになったのか不思議です。水平な格子はそこに
足が掛けられて転落する危険が大きいです。そこには何らかの対策を施
さないといけないと考えますが、雑誌を見る限りでは対策の形跡は見当
たりません。何か安全を犠牲にしているように思えます。

以前の設計で開放感を出したいのでガラス入りの壁にした手摺にする時
に建築主が雑誌を持ち出してこのように横格子で目立たなくしたいと言
われた事を思い出しました。その時に言われたのが自分たちが承知して
いれば良い事だから雑誌のようにしたいと言われ、更には念書を書くか
らと言う事でしたが事故はいつ起こるか判りません。自分の子供に注意
して置くだけでは不十分です。子供の友達が来て親が目を離した時に事
故が起きる危険性が有る事などを説明して視覚的に邪魔にならない方法
を取って納得して頂いた事が有りました。安全を確保して目的を果たす
のは当然の事だと考えています。