大阪湾河口近くでの二級河川「武庫川」は、川底が周辺の地面より高い天井川
である。洪水被害を受けやすい事もあってか、川幅は200mを越え、両岸に
松並木が茂る高い堤防と、日頃は球技やジョギングなどが楽しめる広い岸辺に
なっている。この川に架かる橋梁上に、阪神電鉄「武庫川駅」の駅舎が東岸(
尼崎市)と西岸(西宮市)とに分かれて二つある、珍しいホームである。

東岸の改札口から堤防沿いに進み、すぐ見えてくる二股に分かれた斜め左の急
な坂道を下りきった、歩いて2分程でたどり着く、川底より低い道路に接して
立つ、S造地上4階建・ベタ基礎・外壁ALC版・陸屋根シート防水による、
1階がピロティータイプ・2~4階が1Rタイプからなる、高床式の集合住宅である。

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バブル経済が崩壊した翌々年、大阪圏は東京圏に比べ遅れて不景気の影響を
受けたように思うが、事務所は例年になく忙しく三度、産声をあげた単身者
用住宅でしたが、計画・住民対応・・・設計監理・引渡しの間、クライアン
トの注文・クレーム・・・小生の苛立ち・などがスムーズに進んだ原因は、
建物用途に負うところ大ですが、わが癇癪(神経過敏ゆえに怒りっぽい性質
)持ちも少しは、助けてくれたような気がします。