大阪府の南東端にある河内長野市は、府内で3番目に広く、面積の7割を森林が占め、
この自然豊かな丘陵地に広がる、戸建住宅団地の一画に23年前建設された、S造
2階建の集会を中心とするコミュニティー施設である。
府庁の建設部門で政策立案のエキスパートで、団地の住民でもある知人の推薦を受け
自治会の建設委員さんによる、信用調査会社のリサーチの結果、小生の事務所が設計
監理する事になったようです。
特徴的だった点は、自治会と老人会が二分して利用するスペースの立体空間の構成が、
常識論とは逆の、1階部分に老人会が専用する和室、憩いの場、洋室等が並び、2階
部分に自治会住民の8割が利用する、事務室、パーティションドアーで仕切られた洋室
が配置された間取り図で、邪魔になる柱型は外部に露出され、葬儀会場として動線を
始め、式次第等に配慮した、奥の深い計画案でした。

null

心残りな点は、建物の基礎が一部傾斜地にかかる為、安全対策として全ての柱脚部に
PHCパイル打ち込みの採用等が工事予算額に影響し、遠くから見渡せる自治会館の屋根
の形状が、シンボリックなものから単調なものになったことである。