窓には二種類の概念があります。

間戸、ウインドー何れも窓のことですが、
その示す意味は正反対です。

間戸とは?たとえばお寺の濡れ縁に面して
柱が一間ごとに配され、その間に障子がはめ込まれた
風景、日本人にはなじみのあるものです。
これがすなわち間戸です。
要素と要素のすき間=開口部、ここに建具を入れたり、
ガラスをはめたりしたものを「間戸」というわけです。
西欧の石の文化にはこの概念はありません。

西欧の窓はウインドーと訳されるように
「風が抜ける穴」を意味します。
この穴を介し、外部と内部は明解に区別され、
外部は切り取られた風景としてインテリア化されます。

単に開口部といっても、この間戸とウインドーを
はっきりと区別し、意識的に使い分けます。

下の写真にある、RC打ち放しの壁にあけられた
15センチ角の穴はWINDOWですし、天井とRC壁の
すき間にはまるガラスFIXは間戸なのです。

外部環境と内部が混然一体となった空間作りの手法に
長けた、日本人の住意識、意匠は、
西欧の建築文化にも多くの影響を
与え続けてきました。

この美意識を大切にデザインに生かします。