”風を感じて仕事をする”このフレーズは、テレビのドキュメンタリー番組のタイトルですが、昔の人々は自然を相手に営みを営々と続けて来ました。けっして自然に逆らわず、自然を味方にして、あるがままに生活するしかなかったのでしょう。敵に廻せば強大で、味方にすれば、それこそ自然な営みが出来ました。現代の社会は、敵わないまでも自然をねじ伏せようとして化石エネルギーを多量に消費して、CO2の消費量を増大させてきました。このことが地球の温暖化につながった、と皆さんも思うでしょう。今この化石エネルギー依存から少しずつ脱却しようとゆう動きは、地球規模で各地で思考錯誤して方向を模索している様が見えます。”風を感じて仕事をする”このフレーズは漁師の言葉ですが、この言葉から、私はなぜか自然エネルギーのことが、頭をよぎりました。風、日射、波、雪、雨、台風など、先人達は長い年月をかけてそれぞれの対処方を作り上げて来たに違い有りません。そのことを現代人は忘れかけていたように思います。今こそ住宅の中にも、化石燃料ゼロを目指して住宅の作り方を変えてゆくことが我々建築に携わる人間の義務であると思います。全国単位には、自然エネルギーの活用が進んでいる地域もたくさんありますが、まず自分が生活する地域、自然の有り様はそれぞれ異なるのですから、その地域にあった方式を模索する必要があると思います。私たちは、もっと自然の声に耳を傾けるべきではないでしょうか?
私は”風を感じて仕事をする”ことは出来ていませんが。でも、身の回りの光や風、温度などを感じて、それを住宅に活かそうと努力しています。