温水路とは何だろう?聞いたことがない人もいらしゃると思います。秋田県の象潟上郷地区にある水路で水田のために段々に造られています、太陽の日射を利用して、鳥海山の裾野に湧き出す冷たい(通年7℃)水を稲作の為に、なんとか温めることはできないかと建設された水路です。今私達は太陽エネルギーを住宅に活用して、より自然な住環境を目指して頑張っていますが、昭和の初期、80年も前に始まったこの事業は、冷たい水を太陽で温めて稲の成長を助けようとゆう発想は、先進的でこの地域にパッシブソーラー住宅の遺伝子があったんだと感動します。目的にあった最善の方法を、緻密な観察と計画で協力して造る。当時進められていた発電所建設の保証金をその建設資金として集落の人々の手で行われたことも素晴しい。秋田で自然エネルギー利用しようとゆう精神は、過酷な自然を背景に持つ地域だからこそだと思います。自然エネルギーを建築物に活用する必要は、何処の以南の地域よりも大きくて可能性を秘めていることを実感します。
       以下の記事は美の国秋田ネットから引用しました。
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「秋田県由利郡象潟町の上郷地区では昔から鳥海山の冷たい雪どけ水をかけて米づくりをしており、長い間冷たい水に悩まされていました。大正時代の終わりごろ、地域上流に発電所建設の話があり、その補償金を雪どけ水を温めることに使おうと地域のみんなで話し合い、日本で最初の温水路を作ることにしました。以来、集落の人たちの賦役(ふえき)により、それぞれの集落から大勢の人々が出て、長岡・大森・水岡・小滝・象潟の五つの温水路を作りました。今のように機械(バックホウやブルドーザ)が無い時代に、全て人の力で、スコップ、クワ、もっこ等を使った大変な仕事でした。昭和2年から始まった工事は、昭和35年まで、5路線、総延長6kmに及ぶ大事業となりました。温水の効果やほ場整備事業等(栽培技術も進歩)により、以前は10アール当たり300kgだった収量は600kgも収穫できるようになりました。