住宅を建てるとき、防火地域の規制などによって、窓を防火仕様にしなければならないことがある。住宅が密集するような地域において、火事の延焼を防ぐことを目的とした、都市の不燃化対策の一環としての規制だ。文字にすると分かりにくいが、窓に細い針金の入った網入りガラスが入っている物があるが、凄く平たく言うと、たぶんそれが建築基準法的にいう防火戸(あるいは防火サッシ)。
ところが国内の大手サッシュメーカー3社は、このたび住宅用防火サッシの販売を一斉に終了すると発表したのだ。

住宅用防火サッシ、一斉に販売終了
一体、なぜそんなことになってしまったのか? そしてこれから建てる住宅の窓は、どうなるのか?
まずそんな事態になってしまった原因は、従来の防火サッシが国の基準を満たしていなかったことでしょう。それが露呈し、国に「過去に取り付けた窓全てを、基準をクリアするものと取り替えなさい」と指導されたら、一体どのぐらいの費用が掛かるかは想像が付かない。たぶんどのサッシメーカーも崩壊するでしょうね。

そもそも防火サッシの基準というのは、国が一定の基準を設け、各サッシメーカーは「うちのこの製品は基準をクリアしていますよ」と言った、自己申告に近い形で流通していたもの。国は全ての商品を検査することは無理なので、「おたくが大丈夫と言うのなら、きっと大丈夫でしょう」という感じで流通していた。それがひょんなことから、「これって基準不足じゃないの?」と分かってしまった。性能に問題がありそうなことは、国もメーカーも薄々は知っていたと思われるが、それでも慌てたことは間違いないでしょう。

まぁそんなこんながあり、困ったメーカーは、国からの指導が入る前に「従来の商品は、もう売ってませんよ~。今の物は基準をクリアしてますよ~」という図式にしたかったのでしょう。そして基準をクリアした商品を、新製品として市場に流す。もっともそのシフト期間中は、新旧商品が混在するかもしれないし、商品の値段だって高くなるでしょう。ひょっとすると、一時のグラスウールが手に入らなかった時のように、サッシの納期にも時間が掛かるかもしれません。いずれにしても9、10、11月ぐらいは、サッシに関して混乱するかもしれません。これから家を建てる方で、防火サッシを利用される家は、そのあたりの情報にご注意ください。


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