ハイチの地震被害が、日が経つと共に増えているようです。
貧しい国だったために、建物も脆弱でインフラの整備も行き届いていないとのこと。
その結果、多くの建物が崩壊し、被災者が避難する広域避難場所も無く、食べ物はおろか飲み水さえも無いと報道されています。死者の数が10万人とも噂されている今、一日も早い救援が待たれるばかりです。

日本でも明後日の17日で、阪神・淡路の大震災から15年が経とうとしています。
いろいろな意味での傷痕は、今でも残っていることでしょう。
人の英知では対抗できない自然災害に、どうやって向かっていけば良いのか、もどかしいです。

小沢さんの話で盛り上がっている鳩山政権ですが、子供手当ての財源確保の為に、耐震補強工事が必要な小中学校校舎の工事が、出来ないらしいと言う噂を聞きました。
小中学校の校舎や体育館は、日本の将来を背負う子供達の命を守るべき建物であると同時に、地域の防災拠点、あるいは地域住民の避難場所に指定されている事が多い所です。その場所の耐震的な安全確保が、児童手当支給の為に成されないとしたら、本末転倒のような気がします。

都市の不燃化が叫ばれ、住宅をはじめとする個々の建物の不燃性能が高まる昨今ですが、「都市の耐震性」も、気にしていきたいですよね。

全国で築35年以上経つマンションは、100万戸以上あるとも言われています。
その全てが不安だと言うつもりはありませんが、かなりの数の建物が耐震性に不安を抱えている可能性を秘めています。また年を重ねているのは建物ばかりではなく、住み手も高齢化しています。
その為に建て替え計画や、耐震補強工事の資金確保にも問題を抱えているとも聞きます。

都市が高層化し、その耐震性に疑問が生じたとすれば、都市は凶器の街に変わります。
ハイチの惨状は、けして他人事ではないと思います。
せめて自分の家の耐震性の確保だけでも、再確認してみては如何でしょう。
凄く小さなことですが、その集合体が都市を造るのですから。


天工舎一級建築士事務所