新高輪プリンスホテルの一連の建物は、
村野藤吾氏の設計であることは、有名です。
さくらタワー棟前面に並ぶ半円のバルコニーと
草紋様の手摺は、村野バルコニー。

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しかし、何といっても圧巻は、
宴会棟や国際館パミールの
複雑な銅板屋根葺きでしょう。

これは、村野藤吾という建築家と
熟練の銅板職人との技術と意地のぶつかり合い。

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この複雑な屋根の棟と葺き方のパターン。
外観を眺めていると、その葺き方に加えて、
『雨のみち』、すなわち、雨がどのように流れて
樋へ向かうかが、見えてくる。

こうした屋根は、なかなかお目にかかれる
ものではありません。
原寸で、何度も何度も、検討されたであろう
その複雑な葺き方かつ、シンプルな屋根、
その緩やかな形状は、圧倒的なボリュームを
優しく包み込んおります。

予定外の宿泊が、想定外の出会いを生む、
品川泊まりも、悪くありません・苦笑。

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生前の村野藤吾氏が、
数回、私の師匠・納賀雄嗣氏宅に訪れられ、
直接、お話を聞く貴重な機会がありました。

納賀氏がよく使われる村野さんの言葉。

あなたが、55歳になったら
良い建築ができるようになるでしょう。
その頃には自分のお孫さんが、
家の中をどのように歩き回るか、
それを考えられるようになる。
だから、あせる必要はないのです。

その歳が、あと数年に迫る中、
ますます、身に染み入る言葉です。

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 ・・・どうも、ありがとうございました。

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