昨日、うだつの説明をおこなったこの住宅、
実は、重要文化財の吉島家。

代々生糸や繭の売買から金融、
酒造業を営んだ豪商の家で、
軒の杉玉は、この酒造業にちなんでのものです。

正面のちょっと玄関とは分かりづらい
小さな潜り戸をくぐると
そこには想像だにしない
見事な吹き抜け空間が広がっています。

吉島家内部1.jpg

それが、この2枚の写真。
棟まで通った1本の大黒柱と
格子状に組まれた梁組みの見事さ、
それを際立たせる天窓や側窓から
差し込む幾筋の光が
この空間構成をさらに引き立てています。

この黒光りする柱や梁、
実は漆を塗って仕上げられています。
このために、すべての梁が
丁寧に鉋で仕上げられているのです。

土間と座敷を包み込む大空間には
囲炉裏をきった離れ的な座敷など見所満載。

吉島家内部2.jpg

この座敷に座り込んで、
囲炉裏端でこの空間を見上げていると
しばし、いにしえの刻にタイムスリップ。
ゆったりとした時間の流れに
身を置くことができます。

最初の写真の右手が道路側なんですが、
その上部の壁の背後には
中2階的な座敷が用意されて、
ちょっと低めの勾配天井が
隠れ家的な落ち着いた雰囲気を創り出しています。

奥の1段高い和室もその天井が
少し見えていますね。
また、右手の障子を開けると
低く連続した連子窓越しに
通りの風景を垣間見ることができます。

吉島家内部3.jpg

この建物は実は、3代目。
明治時代に2度火災で焼失しているのですが
明治40年に再建されたものが
残って今に続いています。

現在、重要文化財である吉島家の
素晴らしさを発見して、絶賛したのは
チャールズ・ムーアという建築家。

こちらの『シーランチ』は私好みの建物。
http://www.tv-tokyo.co.jp/kyojin/picture/f_051112.htm

この素晴らしさを認めたのが
米国の建築家というのも、
日本人としてちょっと、複雑。

高山にお出でかけの折りは、
是非立ち寄って、この空間を体感して下さい。

人気blogランキングに参加しています。
↑よろしければ、クリックをお願いいたします。
 ・・・どうも、ありがとうございました。

TREview
↑よろしければ、クリックをお願いいたします。
 ・・・どうも、ありがとうございました。