「環境共生住宅」、「健康住宅」、「エコ建材」等、最近よく耳にされると思いますが、又それを売物にする住宅メーカーも多々あります。我国では、環境(エコロジー)も健康(バイオロジー)も一緒くたにされていますが、環境先進国といわれているドイツなどでは、エコロジーは外の世界(環境)との関係を、バイオロジーは人間との関り(健康・室内)を意味し、分けた考え方をしているようです。

ですから、健康によく地球環境に配慮した建材であっても、仕上げ等の一部分にしか使用されていなかったり、輸入住宅や工業生産住宅に代表される広域営業・広域施工の住宅等は、生産や輸送などによる環境への負荷も考慮しなければ、本来の自然に優しい住宅とはいえません。

又、ビニールクロスやその接着剤には、有害な化学物質が含まれている事が指摘されて以来、様々な安全を保障するマーク(ISMマーク・RALマーク等)の付いた壁紙が出回っていますが、これは有害な物質の量を一定の値以下に減らしている商品に与えられるもので、有害な物質が全く含まれていないのではありません。微量でも化学物質過敏症を起す人の場合は、決して安全とはいえないのです。それだからといって、自然素材を使用すれば安全かというと、必ずしもそうとは限りません。人によっては、アレルギー反応を起す場合があります。

私は今も勉強中ですが、大切な事はあなたの家族にとっては、どの程度(レベル)の安全対策を必要としているかであり、何よりも全体の調和が大切です。共に勉強し、身体に優しい住いをつくりましょう。

昨今、環境に配慮している企業の株価が注目を集めていますが、ブームに翻弄されたり宣伝文句を鵜呑みにするのでなく、納得する家づくりをして下さい。