昨日は断熱性能を向上と自然エネルギーを有効活用する省エネ設計による空調関係費の削減額等について詳しく解説しました。10年で50万円、20年で100万円もの削減が可能となるのでまだ記事を見ていない方は是非昨日のブログをご覧ください。

さて今日は住宅のランニングコスト削減方法として一般の方々が真っ先に考える太陽光発電について解説します。まず第一にお伝えしておきたいことは、太陽光発電パネルを導入しても住居環境の快適性は向上しないということです。断熱性能の向上と自然エネルギーの有効活用による省エネ設計では快適性が大きく向上します。同じ省エネですが大きな違いがあることを最初にお伝えしておきます。

太陽光発電の広告等では、太陽光発電導入による電気代の削減をアピールして導入を促しています。しかじ実際にはメーカーや工事業者の広告のように甘い物ではありません。では実際に30年使用したときにはどの程度の費用対効果があるのか試算してみましょう。
【設定条件】
・設置容量:4kw
・設置費用:155万円(消費税込み、市区町村の補助金分を削減しています)
・借入支払:住宅ローンの一部として金融機関から借入
        金利1.0%、借入期間30年、総支払い額は180万円
・設置状況:真南、屋根角度30度、設置場所は横浜市
・売電価格:当初10年間33円/kwh、11年目以降25円/kwh
・維持費用:10年ごとにパワコンを交換、交換費用21万円
・電気代削減額:当初10年間は年間13万2千円、11年目以降は年間10万8千円

以上の設定条件で30年間の収支計算をしてみましょう。
①30年後に太陽光パネルが故障して放置した場合
 削減額348万円―ローン支払い額180万円―パワコン交換費2回分42万円=126万円
 実質利回り2.69%(126万円/30年÷155万円×100)
②30年後も太陽光パネルが故障して撤去した場合
 削減額348万円―ローン支払い額180万円―パワコン交換費2回分42万円―撤去費60万円=66万円
 実質利回り1.42%(66万円/30年÷155万円×100)
③30年後も正常に稼働している場合
 削減額348万円―ローン支払い額180万円―パワコン交換費3回分63万円=105万円
 実質利回り2.25%(105万円/30年÷155万円×100)

30年後も正常に稼働しているのか、または故障して交換が必要なのか、はたまた撤去するのかにより収支はかなり変わることが分かると思います。30年で幾ら得すると考えるか、投資と考えて実質利回りで考えるのかによっても判断は分かれるでしょう。いずれにしても太陽光パネルメーカーや設置業者の広告のような夢のような甘い話ではありません。

断熱性能の向上と自然エネルギーを有効活用する省エネ設計による空調関係費削減額は30年で150万円です。どちらを優先させるべきか明白です。

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