昨日(2月26日)のハイビジョン番組に文楽の竹本住太夫と三味線の鶴沢清治が出ていました。
私も文楽が大好きなものですから興味を持って見ました。
番組終了後、映画監督の大林宣彦さんと鶴沢清治さんの対談がとても印象的でした。
「太夫と三味線は仲良しごっこではだめで、火花が散る様子が大切なんです」と監督は言っていました。人それぞれ違うんだからぶつかり合うべきだし 合わせようとしたらだめであり と同時に競い合ったてもだめなんだと言っていました。
人間国宝同士の最高の技と技とのぶつかり合いが舞台に最高の空間を形成して観客を魅了するのでしょう。
とても奥深い言葉だと感心しました。

さて建築もそれぞれの職人さんの技のぶつかり合いと結集で傑作が出来上がります。
特に在来工法による住居(すまい)はキノコのようにその風土に根ざします。

来月から着工する住居には福井県の山から伐採した松、杉、栗を多く使用しています。
大工小屋での木造りも急ピッチですすんでいます。
その一部を写真で紹介します。
写真の大工さんとはとても気が合って長く付き合っています。私の設計スタイルも十分に理解してもらっていますので とても気持ちよく仕事が出来ます。
一本ずつ手作業で材料を加工していきます。その仕口の見事さを見てください。