外部仕上げに、打放しコンクリートを採用した、RC造4階建、テナント店舗ビルは大阪
北部JR茨木駅の北側、徒歩3分程の商店街通りに位置し、夜の飲食場として賑わっ
ているようです。その他に、RC・W造の混構造3階建ての併用住宅で3物件、この仕
上げを体験して感じたことは、躯体美の完成度の是非は、施工者側の技量により決ま
る、難しい仕方であると、半ば諦めていました。
最近アトリエ事務所を主宰する仲間の一人が設計監理した作品で、大阪市都島区に
在る、RC造5階建ての複合ビルを見学する機会があり、小さな名もないゼネコンが挑
んで生まれた、凛とした打放しコンクリートの美しさの背景には、必要な各部分の真実
を、現場に従事する職方、作業人に至るまで伝達した熱意の結果であると、監理者の
極意を聞き、その深さに感動しました。
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このテナント店舗ビルの反省点の一つは、素肌の美を求めたにも拘わらず、正面の柱、
梁部が修正技術に頼る化粧肌になり、側面の外壁部が吹付塗装に頼る変装肌、を招
いた原因が、二段構えの予備知識に依存した、監理者である小生の、危機感の欠如
にあったと思われます。