今日も暑いです。
仕事するにもエアコンをつけないと、さすがに仕事ができません^^;

さて、今日のテーマは「ライフサイクルコスト(LCC)」です。
建物でいえば、企画からスタートして建築し修繕し最終的に解体撤去までの言ってみれば「生涯費用」の合計の事ですね。世に言う「ローコスト住宅」ってのは、このLCCで言えばイニシャルコストの部分だけを言っている場合が多いかと思いますし、建築主から見れば初期投資でもある建築費は重要なのは間違いありません。
ですが、現実は建築のLCCの中のイニシャルコストは一般的に25%以下なわけで、光熱費を筆頭に修繕費や保守などのランイングコストの方が遙かに大きいわけです。

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                          (図:社団法人 日本電設工業協会)

ということで、LCCに重点をおいて考えましょうというのが今回のテーマなわけです。

最初に書いたようにこう暑いとエアコンをつけてしまうわけです。このエアコンをつけるという行為はランニングコストの一つなわけで、このランニングコストを少しでも小さくするように、我々設計事務所は日々考えているわけです。
当然ながら、イニシャルコストとランニングコストの合計がLCCなわけですから、イニシャルコストである建築費も小さいにこした事はないんですが、なかなかそれが難しいわけで、一般的にはLCCを小さくしようとするとイニシャルコストである建築費が高くなってしまう傾向がありますね。

例えば、マンションの場合ですと、管理費ってのでエレベータの維持管理費とか日々の清掃とかをまかない、修繕積立金ってのを毎月積み立て長期修繕計画によって大規模修繕をしています。ですから、機械式駐車システムがあったりプールがあったりしますと、それこそLCCは上がってしまうわけで、結果所有者負担は増えることになります。

本来であれば戸建て住宅であっても、マンション同様に毎月管理費と修繕積立をして欲しいのですが、これもなかなかしていただけなかったりします。これは我々設計事務所が長期修繕計画書を最初に建築主の方に呈示していないからなのかもしれません。(あ、LCCの計画書をしっかり作られてる事務所もあると思います)

このLCCってのは、建築だけに限ったわけではなくて、全ての物にあるわけです。一般に言えば車が一番わかりやすいかも。車ですと車検があったりオイル交換があったり洗車したりとマメにされる方も多いですね。ただ、それが家となると・・・

よく言うLCCでは、家族が増えるとかでの増築なんかも入れて書かれている所も多いかと思います。当然ながらそれも入れなければいけないのですが、ちょっと前に書いたように、「住み替えしよう」も一つの方法なわけです。一つの建物だけのLCCを考えるだけでなく、社会のストックとしての住宅を考えた場合、町内とか市内とかある程度のエリア全体でのLCCを考えるのも必要かと思うわけです。

また、ライフサイクルCO2(LCCO2)という言葉もあります。生涯排出CO2の事ですが、前回書いた「国産材を使おう!」もこのLCCO2を少なくする一つでもあります。

当然ながら、エアコンを付けないで我慢するとかもLCCを小さくするひとつです。世の中便利になりすぎてLCCやLCCO2も大きくなりすぎてると思うんですよね。もっと我慢というか、機械や装置に頼らないスローライフも見習わなくては。


と、日々こんな事を考えながらいるわけです。