もうかれこれ10年ほど、名古屋市障害者住宅改造補助事業のお手伝いをさせていただいている。

たぶんどの市町村にもある事業かとは思うが、介護保険の住宅改修とは別に障害者を対象に市町村単位で行っている事業だ。早い話が、障害者が自宅で住みやすくする為の住宅改造の助成事業なわけだ。

私は、その事業のお手伝いとして、医療の専門家と共に訪問し、その障害者の方や愛護の方が住みやすくする為の建築的なアドバイザーをしているわけだ。

現実として、一番多くある脳血管障害の場合でも「脳血管障害」と一口で言っても、それぞれ皆さん程度も違えば住宅も違うわけで、その都度提案する改造案は違う。このお手伝いをし始めてからたぶん700件以上訪問させて頂いてるが、同じケースはほとんど無いし、それぞれ困っているバリアは違う。

障害者の方の住宅改造の場合、障害者の方だけの為には考えない。障害者の方を介助する方(家族ですね)の為も含めて考えなくてはならない。脳梗塞やクモ膜下出血などの脳血管障害の例でいえば、概ね50代以降の方が発症されるわけで、介助される家族の方も同様な年齢であり、一般的な言い方をすれば老々介護の様なケースが多い。子供さんが脳性麻痺などで障害を持たれていて、その方が40代ぐらいの場合も大変です。

介護の基本は「頑張らない介護」であるべきで、介助や介護する方の負担が大きければ大きいほど続かないし、結果として障害者本人にもマイナスでしかない。過去10年の印象としては、障害者が奥様の場合に旦那さんが目一杯頑張ってしまうことが多い。ある意味で、それだけ奥様に感謝されてるわけで、それまで感謝の気持ちを表す事なくきてしまったんだろうなぁと思うわけです。

さて、話を戻して・・・・こういった助成制度はどこの市町村でもあるわけですが、助成ですので助成を受けるには所得制限があると思います。所得制限があってその助成を使えないとしても、住宅改造をしようと思われる方はぜひ相談されると良いと思います。助成金はでなくともどこでも相談は受け付けていますから。

悲しい事に行政サービスはどんな場合でも自分から動かないことには受けられません。
税金も多く払っても何も言ってきませんが、少ないと行政から取りにきますよね^^; そんなもんです。

ですので、結構知らない行政サービスはあると思いますので、困った事があればまずは市町村に聞いてみると良いかと思います。

あ、そうそう。こういった住宅改造をされる場合、ついでに耐震改修助成も使ってしまうのも手ですので、リフォームや増改築される場合は、そんな事も頭の片隅におかれておくと良いですよ。