昭和52年(1977年)新築
在来木造軸組工法 専用住宅

15年ぐらい前では、カラーベスト屋根を塗り替えたり、浴槽・浴室のドアを入れ替えたりしていたそうです。
10年ぐらい前に賃貸にされたそうです。
その後、所有者は高齢のため、ほとんど行っていないそうです。

2年前に玄関ドアが壊れたので、知人の方へ家のアドバイスをしてくれる工務店か建築士に相談して欲しいといことで、てるりんに電話がありました。
木製の玄関ドアで、カギは壊れていたので建具屋さんに連絡をしました。
その時、玄関の天井から壁にかけて大きなシミに気付きました。
そのシミの原因を知りたくなり、調査の了解を所有者へ連絡をしていただきました。
シミている天井と壁を切り取って見ましたところ、雨漏りでした。
梁・柱(無垢材)の一部は、白蟻に食われています。
間柱は、ほとんど白蟻に食われてありません。
至急、雨漏りを止めて、白蟻に食われているところを入れ替えることように提案しました。
入居されている方に「住まわれていて、何かお困りはありませんか?」と尋ねますと、「洗面所の床がビヨブヨします。」と言われました。
洗面所へ行きますと、浴室へ入るドアの床に足ふきマットが置いてありました。
マットの置いている床が、ブヨブヨしていました。
入居者に「お風呂からあがってからマットを干されていますか」とお聴きしましたら「干していません。ずーっと床に置いています。」とのこと。
お休みなる前にマットを干してくださいと言っても、時、遅しです。
マットは、かなり湿気ていて床板が腐っていました。
以上のことを所有者へ伝えますと、どうするか考えますとのこと。 12月19日、2年ぶりにその後のことが気になりましたので所有者へ確認しました。
リフォーム工事をする予算が無いので、何もしていないとのことでした。

最近の新築住宅のほとんどが、木切れをボンドで貼り合わせた外材の集成柱・梁を使っています。
集成柱・梁は、ボンドの接着力が命です。
その材の耐用年数は、実験での推測です。
だれも耐用年数を経た材を見ていません。

新築まもなくの住宅を調査した時に、接着部分が剥がれて隙間があいていた梁を思い出しました。
修正材ではなく無垢材を使った家の方が耐用年数は、はるかに上です。

家を雨漏りさせることなく・湿気させることなくさえしていれば、大切な家は白蟻のエサにはなりません。

これから家を購入される方は、購入後の修繕金を積み立ててください。
お金がないを理由に、ほりっ放しにしないでください。
それは、子供を産んで世話をしないのと同じです。
家のお世話ができない人は、家を買わないで欲しい。
買っては、いけません。

大量生産・大量消費の時代は、とっくに終わっています。
本物の木材で建てて、大切に、長持ちできるように家を使って欲しい。

家は、私たちの生活を支えてくれる温かい器です。
その器が病むと、そこに住む人々の健康が損なわれることにつながっています。
へその尾と同じです。
家は、私たちの行動を見ています。
私たちの行動は、家に刻まれています。
住む人の人生が、刻印された家を大切にすることは、自分の人生を大切にすることになります。

てるりんは、そのように考えますが、皆様は如何でしょうか?