建築士試験監督員の重要な役割の一つに、持ち込み法令集のチェックがある。一冊あたり10秒ほどでチェックする。もちろん全体の詳細なチェックはできない。
それでも、よく勉強されている法令集と、場当たり的に勉強した法令集との違いは判る。中でも参考書並みの図解を丁寧に書き込んでいるものは明らかに前者の法令集とは異なるものがある。受験産業から示されている法令集の線引例そのままの法令集とは異なり、法令の内容を消化しながら書き込まれた法令集は、ある種類、使いこなされた道具のような味がある。
一級の試験にそんな法令集に出会うことが多いのは、建築士を目指す意識が高まっていることを示しているのだろう。
試験に合格したい心情はよく理解できる。それだけ魅力ある資格だからこそ、携わる人々の正義によって支えられるべきものだろう。新しい手法を模索するより何より、自分自身が納得できる合格をしてほしい。
;その根本にあるものを、経験がなされなければ無くならないのではないだろうか?そのためにも、何より自分自身が、納得できる合格をしてほしい。