和の意匠は種類が多く、様々な空間演出が出来て結構面白いです。最近
はアジアンテイストが好まれる例が出て来てモダン和風なインテリアに
人気が有ります。そのようなインテリアの和室には用いる事が無いよう
ですが和室を造る時に長押(なげし)をつけるか否かを聞かれる事があ
ると思います。この長押は元々は構造材で有った事を知っている人は少
ないかも知れません。長押とは古代建築において柱と柱を両側から挟む
水平の構造材の事を言いました。これは和様建築の大きな特徴と言われ
ています。そして時代が下り鎌倉時代に宋から新様式が入って来て柱に
穴を開けて水平材を通す「貫(ぬき)」といわれる構造方式が伝来して、
「貫」で柱を固定する方式に変わったのです。その新様式が伝わると今
迄の長押は構造的役割から意匠的役割に変わって行き、書院造りと言わ
れる建築様式で多く採用されて現在に繋がっています。数奇屋造りには
長押を付ける事は有りませんがこの事は別の機会に致します。

画像で曲がった梁の上の柱を挟んでいる水平材が古代建築様の長押です。