床刺し
床の間に対して垂直に棹縁天井の棹縁の向きになっている事を床刺しと
言います。これが結構嫌われているんですね。理由を伺っても明確に
教えていただける事は稀です。下手な聞き方をすると「そんな事も
知らないの?」なんて言われちゃったりしてね(笑)
よく言われる理由は家相でそうなっている。もう一つは床の間を家の主
に置き換えて刺される事を想像させる。と言う事です。
しかし、家相で言えば床刺しが凶相だと断言してはいないようなので
理由が曖昧に成っているし、もう一つの理由も何かこじつけのようにも
思えるし。そこで、どの家も床刺しに成っていないのかと言えば、
重要文化財の慈光院の高林庵なんかは床刺しでわざと床刺しにしてる例
です。この建物は石州流の片桐石州の作ですが床刺しは石州が好んで
採用したと言われていますので、誰かに、「此処の床の間は床刺しだね」
と言われたら、「僕は石州が好きでね、彼と同じようにしたのさ」と
言ってみるのも悪くないのではないですか。