能登半島地震が起きてから1週間が過ぎて、被害状況や被害検証などの
情報を発信された物を見る事が出来ますが、ちょっと気になった記事が
有りました。朝日新聞 3月27日朝刊14版第2面の時時刻刻の見出
しで”少なかった住宅全壊「太い柱」伝統工法が守る”と言う記事です。
見出しだけを読むと太い柱であれば倒壊しないように読めますが、実際
には太い柱だけで出来ている建物が倒壊しないとは言えないと感じたか
らです。勿論太い柱は耐力に有効に働く事は有りますがそれだけで倒壊
しない建物であるかのような印象を与える見出しは危険なような気がし
ます。阪神淡路大地震の時に木造在来工法の住宅は危険であると印象付
けられた事や、瓦屋根の家は倒壊してハウスメーカーの建物は倒壊しな
かった、などの記事を思い出します。新聞の性格上見出しをインパクト
のあるものにするのでしょうが、このような記事はよく読まないと誤った
理解になってしまいますので注意して読む事をお勧めします。この記事
でも最後まで読むと太い柱だから倒れなかったとは書いてないのものの
見出しの印象は強い物が有ります。阪神淡路大地震以来、地震動は横揺
れだけでなくて上下動を起す事が知れています。このため、建築基準法
が改正されて上下動に効果がある金物の取り付けが定められています。
やはり今回の地震で倒壊した家にはこの金物の設置が有効に施されてい
なかったのが原因と思われる物も有ります。ケンプラッツの記事
【能登半島地震】壊れるべくして壊れた住宅──日経ホームビルダーが分析”
は参考になる記事です。(この記事は3ページ有りますので最後のページ
まで読む事をお勧めします。)今後様々な研究成果が発表されると思い
ますが正しい知識と理解で自分の家を把握しておく事が大事だと思います。