さてさて、長い間空けてしまった。

今年も残り数日。
色々思う所もあり、今年の後半から第三者検査を重点的に行った。
建築主から言えば、セカンドオピニオンとなるわけで、私の想像よりも第三者検査を求められている方が多い事が分かった。


建築主はどんな場合も漠然とした不安の中にいるわけで、特に分譲住宅や分譲マンション、そして中古住宅の買い主の方が第三者検査を依頼されるわけだ。中古住宅よりも新築住宅の買い主の方の方が多い。

タイミングとして依頼される方は、受け渡し直前の場合が多く、こちらとしても工事途中を見ているわけでないので、完成したもので判断するしかない。床下収納庫や点検口から床下を確認したり1階の押入から2階床を見たり小屋裏に上がって見たりと、構造部分を確認出来るのはその程度となる。壁内(筋交いとか)についてはあまり見る事が出来ないのが実際だ。
基礎についても目視中心となるわけだが、場合によっては鉄筋探査機を使う場合もあるが、本来は配筋検査の記録なりがあればその方が確実だと思う。分譲住宅の受け渡しに工事記録を渡すといった事が一般的になればと思うのだが。

さて新築の場合、中間検査実施もあり瑕疵担保責任保険での検査もあり、目視出来る範囲での金物などの構造的な不具合が見つかる事は少ない。よく心配される床の傾きについてもレーザーレベルで確認するのだが、大きく問題のある事は殆ど無い。しいて言えば、枠組壁工法(2x4工法)の場合で、2階がセットバックしている時に床梁(3-210とか4-210とか)の上に2階内壁がある時は下がっている傾向はあるかな。言い方を変えれば平面と構造がアンバランスなわけだけど。

第三者検査をしていて一番多い不具合というか修正をお願いする項目は、小屋裏(最上階天井面)の断熱材の敷き込みかと思う。
きっちり綺麗に敷き込まれている事は少ない。在来工法の場合は天井下地や吊り材もあり入れにくい事はわかるんだけど。

前述した様に壁内の状態は確認出来ない事が多いが、天井断熱材が綺麗に入っていない現場は、多分壁に入れる断熱材(グラスウール)の施工方法が拙い所は多いのではないかと想像できる。
断熱材の施工ムラだけで言えば、現場発泡ウレタンや現場でのセルロースファイバー充填などの方がいいだろうと感じる。

ということで、来年も設計監理だけでなく第三者検査も平行してやっていこうと思った私です。