建築家の大御所、槇文彦氏の論考が建築界だけでなくマスコミなどに火がつき話題が大きく広がっている「新国立競技場案」について、月刊誌・建築ジャーナルの1月号で特集記事が組まれ、色々な方々の多様な意見が発せられています。
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特に
小生が投稿した記事の内容は下記の通りで、ご高覧いただければ幸いです。
主催国日本のデザインコンペで選ばれた最優秀案の採用を根底から揺るがしかねない物議を醸している事態を大変不可解と捉えるとともに、不条理であると叫びたい。特に気になった点は、コンペの参加資格を絞りすぎたことが、建築・土木・環境・などなどあらゆるデザイナーたちの発想の場を阻害することに繋がったこと。参加日本人の入選4案が独創的・未来的指向性に欠けるデザインとなり、機能性を重視した夢のない平凡な優等生の提案で終わった結果、惨敗したと察する。それに比べてザハ案は、躍動するアスリートたちと観衆の喝采が瞼に浮かぶような機能と空間構成がデザイン的に昇華された秀作である。
 今後、実施設計・工事予算・施工に向けた高いハードルを乗り越え、建築界が総力をあげ結集するに値すると覚悟すれば、イタリアのローマ市内にある「コロッセオ円形競技場」の如く存在価値のある一皮剥けた「夢舞台」の登場が実現できる日を待ち望みたい。