独立して5年目、借家の裏庭を犠牲にして6畳ほどのプレハブ
小屋を仕事場としていた頃、ある人の紹介を受け、S造2階建
本社事務所棟とスチールパイプフレームにテント張りの屋根が
付いた貸ガレージの設計依頼でした。

東大阪市の近畿日本鉄道『河内小阪』駅から北向きに伸びる歩道
がない一方通行の狭い道を歩いて6分余りの角地にある現場は近
い将来、巾員18メートルとなる都市計画道路に面していたため
先駆けて?・・・実行路線のごとく道路後退分の買い上げを受け、
建築工事費などに充てられたようである。


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その後工事が始まり掛けた頃、クライアントから入った電話の内
容は、他方の道路から直接入庫する8台分のガレージについて進
入テストしたところ「使い物にならない」と担当社員から聞いた
・・・・・・とのことでした。即座に返答したのは間口を拡げて「台数
を減らす選択肢」もありますと説明したところ・・・・・・・・・・後日
図面通りでと・・・納得されたようである。

30年余り経つ現在、周りの後退空地は増殖しているものの、未だ
この路線は供用開始されずじまいですが、この作品は撤去され、北
側の東西方向に走る幹線道路と繋がり大きくなった敷地は、大手寿
司チェーンの店舗ができ賑わっているようである。